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新興国はもう瀕死。ジャクソンホールでパウエルは利上げ「後ずれ」を叫ぶか?=今市太郎

新興国経済は米国の金利上昇とドル高で瀕死です。このまま利上げ路線を続けるのか、市場は8月24日ジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演に注目しています。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2018年8月22日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

新興国経済に配慮はされるのか?相場の方向を決定付ける講演に…

10月以降の利上げペースに言及するか?

今年も夏の終わりが近づき恒例のカンザスシティー連銀が主催するジャクソンホールでの年次シンポジウムが開催されます。

FRBパウエル議長は24日午前10時、日本時間では同日の午後11時から講演をすることが予定されています。

大方の見方ではパウエル議長は過去の議会証言やFOMC声明に謳われた内容をトレースするだけで、大きな方針変更は口にしないのではないかとみられています。

しかし、9月の追加利上げまでは市場が織り込み済みですから粛々と実施するのでしょうが、それ以降の利上げペースをどうするのかについて何らかの踏み込んだ発言をすると、相場は大きく動きそうです。

各方面から圧力がかかる

イエレン前議長がビビりまくりでさんざん利上げを後ずれさせてきたため、そのツケを必死に挽回する形で利上げ加速を続けてきたパウエル議長。

すでにトランプから利上げについて希望とも注文ともとれる発言が飛び出していますし、政界の状況をいち早く口にするFRB関連の風見鶏として有名なセントルイス連銀のブラードも5月段階で「早々と利上げをやめるべきである」といった政権を配慮したような発言をしはじめています。

ですから、12月に4回目の利上げをするのか、来年以降はどうなるのかは、非常に相場に影響を与える材料になりそうです。

資産縮小を一時中断するという手も…

「追加利上げ、やめます」と言ったとたんに相場は相当に荒れて、株が買われても債券も買い戻しが出ることから、債券金利が下落してドル円は大きく売り込まれる可能性が出てきます。

直近のCMEが発表している米10年債における大口投機玉の売りは6888149枚と、過去最大規模にまで膨れ上がっており、ファンド勢は米債金利が上がる方に賭けていることが非常によくわかります。

しかし金利の上昇が見込めないとなった場合には、この売りのほどきの反対売買が一気に出ることも十分に予想されることから、株式市場はゴルディロックス相場が延命しても、債券市場には相当な痛手となることが容易に想像されるところです。

また、利上げの後ずれを口にするのではなく、昨年から始まっている資産の縮小を一旦とめて様子を見るといった若干消極的な方法を持ち出してくる可能性も十分に考えられます。

こちらは緩やかな金利の上昇を促すうえで(かなり間接的ではありますが)それなり
の効果が考えられることから、政策のひとつとしてパウエルが打ち出してくることはありえそうです。

Next: このまま粛々と利上げを行えば新興国経済が持たない

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