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テスラには追い風? イーロン・マスク「証券詐欺罪」の和解と市場の損害=矢口新

テスラに関心を向ける者は多いが…

サウジアラビアがテスラ社に関心があるのは事実だと見ていい。サウジアラビアだけでなく、例えばトヨタや他の自動車会社、あるいは投資家たちもテスラ社には関心がある。しかし、それは常にコストに見合うという当然の条件のもとだ。

株価がその見合いのコストを示唆している。つまり現状では、市場は264ドル77セントでなら、テスラ社を買う価値があると見なしている。サウジアラビアがその株価で興味があるのなら、マスク氏の意向などとは関係がなく、少なくとも1部はすぐにでも買えるのだ。

これは同時に、誰も420ドルでテスラ社を買おうと思ったことがないことを示し、マスク氏の「420ドルでテスラを非公開化できないか考えている。資金は確保した」という発言が、妄想か、「虚偽及び、株式市場をミスリードしたもの」であることを強く示唆している。

虚偽発言で損害を被った人々

テスラ株を7月中に、300ドルや320ドルで空売りしていた人がいれば、マスク氏の発言で、買い戻しを迫られた可能性が高い。

発言が真実ならば、420ドルになる前に買い戻す必要がある。強制ロスカットされた人もいるだろう。過去の大損の例のように、自殺者が出た可能性も否定できない。

そうした発言がインサイダー中のインサイダー、創業者CEOから出たものだとすれば、刑事訴訟となってもおかしくはないのだ。

上場企業は私物ではない。上場することによって、広く一般から資金を調達したのだから、上場企業は出資者(株主)に責任を負った公器だ。その意味で、SECがマスク氏をテスラ社及び、「上場企業の経営陣から排除されることを望む」ことは、十分に理解できる。公器を扱う資質に欠けるのだ。

Next: 赤字のテスラを支えているのは市場。スピード和解の経緯とは

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