fbpx

日経平均は近く失速か。アナリスト達の企業収益見通しから読み解く=馬渕治好

気になる資料:企業利益の長期成長率(年率)の推移

今期、来期などの、(各証券会社等のアナリストによる)企業収益見通しについては、各種情報会社などが集計している。上図は、ファクトセット社が、さらに長い期間における、日本企業のアナリスト予想を集計したものだ(※ただし、厳密に期間が揃えられているものではなく、3年間の予想があればそれを、5年間の予想があればそちらを用いる、という形だ。また、ファクトセット以外の情報会社でも、同種の集計は行なわれている)。

この長期予想利益成長率をみると(上図はTOPIX採用銘柄、つまり東証一部全銘柄について集計)、2012年3月から同年11月にかけての景気後退期においては、その前にアナリストは長期利益見通しを引き下げていた(左の丸印、なお、一旦景気後退が進んで見通し通り減益となれば、低い利益水準から大きく利益が戻るので、丸印の後は、大幅に利益成長率見通しが上振れしている)。

また、2016年初からの世界同時株安や同年6月のブレグジット・ショックの局面では、そうした混乱を受けて、アナリストが長期見通しを下方修正している(右の丸印)。

長期的には警戒局面へ?

足元については、今来期について、アナリストの多くが堅調な企業収益を見込んでいるが、長期見通しについては慎重さが増しており、前述したような丸印の2局面に並ぶ低成長率の予想となっている。

こうしたアナリストの長期展望が正しければ、当面はまだ足元の企業収益の堅調さや割安な株価を裏付けとして、国内株価の上昇が期待できるが、徐々に長期的には警戒局面に入っていくのだろう。

続きはご購読ください。初月無料です

※ もうひとつのメルマガ『馬渕治好の週次メモ「時の花」』も好評配信中。毎週の日経平均株価と米ドル円相場の見通しを、数値を挙げて解説します。前週の見通しと実際の相場を比較し、予想が当たったか外れたかがわかるようになっています。注目される図表を取り上げる「今週の一枚」のコーナーも。登録初月(登録日から月末まで)は無料で読めますので、ぜひお試し購読をどうぞ。


※本記事は有料メルマガ『馬渕治好の週次メモ「時の花」』2018年10月1日号の一部抜粋です。毎週いち早く馬渕氏の解説をご覧いただくには、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した項目もすぐ読めます。

【関連】日本の地価崩壊はもう始まっている。東京五輪が「経済災害」になる日

【関連】なぜ買い豚も売り豚も自滅するのか?「次の暴落」が怖くなくなる投資術=鈴木傾城

【関連】「資産は貯金だけ」がいちばん悲惨。日銀「緩和の副作用」で国民はますます貧乏に=斎藤満

1 2

馬渕治好の週次メモ「時の花」』(2018年10月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」

[月額1,650円(税込) 毎週日曜日(年末年始を除く)]
最新の世界経済・市場動向をさぐる「ブーケ・ド・フルーレット」(略称:Bdフルーレット)。この代表である馬渕治好が、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、高水準の分析を、わかりやすく解説します。馬渕が登場するTVや新聞・雑誌コラムなどと合わせて、当メールマガジンも是非ご覧ください。

いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー