【海外送金は、今後解禁される可能性はあるのか?】
Q3:「海外送金が難しくなっている現在、今後のリスクと対策はどのようにしたらいいのか?」
A:最近、当マネースクールでも、コミュニティメンバーより「今まで利用していた海外サービスの集金代行が、突然使えなくなってしまった」といった報告を度々受けます。以前は、集金会社や両替会社の口座にお金を振り込むと、そこから海外に代理送金をしてくれる、という便利なサービスがいろいろありました。しかし昨今、国が金融引き締め策を進めるに従い、急遽使えなくなる、といった事例が多発しています。
すでに、メガバンクからの海外送金は、門前払いに等しい扱いを受けています。中には、いろいろ書類を提出させられた挙句に、よく分からない理由で却下されたり、担当者によって送れたり送れなかったり、といった話も耳にします。また引き締めは、地方銀行にも及んでいます。
※参考:“一見客”の海外送金お断り 北朝鮮対策、地銀が強化 – 産経ニュース(2018年8月22日配信)
こうした、金融庁主導で海外送金自体を阻止しようとする動きは、表向きはマネーロンダリング対策やテロ・犯罪組織への送金防止のため、とされています。
しかしその裏には「これ以上、国外に資金を流出させたくない」という思いが見え隠れしているような気がしてなりません。
海外送金を困難にした2つの理由
彼らが海外送金を難しくした目的は、主に2つあると考えられます。
1つは資金が海外に逃げてしまうことによって、日本の銀行・保険会社・証券会社にお金が集まらなくなり、国債の買い付けにも影響が出る恐れがあること。
もう1つは、徴税の問題です。現在、各国間で口座情報をお互いに交換し合うCRS(共通報告基準)という仕組みが稼働しています。これは海外口座を利用した脱税を防止する目的で始まりましたが、物理的な問題がネックとなっています。
要は、海外から送られてくる情報量があまりに膨大でチェックが難しいため、「それだったら、もとからお金を海外に出せないようにしよう」としているわけです。この方法であれば、送金経路(銀行)を塞げば良いだけですから、ずっと簡単です。海外の投資案件が日本のものより利回りが良いことは周知の事実で、これに関しては金融庁もどうしようもありません。このままでは、今後も海外へのアクセスが緩くなることはないでしょう。