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23年ぶり「スーパー売上絶好調」のウラで貧しくなった庶民の食卓

2015年9月の全国スーパー売上高(既存店)は23年ぶりとなる6ヶ月連続の増加となりました。モノが売れるのは好景気の証しとばかりに、報道各社がこのニュースをポジティブに報じています。例えば、

9月の全国のスーパーの売上高は、前の年の同じ月に比べて2.9%プラスの1兆380億円でした。食料品が好調で、野菜の相場高の影響も売り上げを押し上げました。今年の4月以来、6カ月連続のプラスです。6カ月連続の前年超えとなるのは、26カ月連続でプラスとなった1990年4月から92年5月まで以来、約23年ぶりです。
会見した日本チェーンストア協会の井上淳専務理事は、「日常の消費については堅調に推移していると言えるのではないか」として、消費が回復基調にあることを示唆しました。
出典:全国スーパー売上高 食料品好調で6カ月連続プラス – テレ朝news

とこんな感じ。でも個人消費は本当に回復しているのでしょうか?投資家向けメルマガ『日刊株式投資情報新聞』に、マスコミ報道とまったく異なった見解がありましたのでご紹介します。

相次ぐ値上がりで売上アップ。買うしかないのが庶民のつらさ

23年ぶり記録「全国スーパー売上高6ヶ月連続増加」の懸念点

日本チェーンストア協会が発表した15年9月の全国スーパー売上高(既存店)は、実に23年ぶりとなる6ヶ月連続の増加となった。

23年前といえば1990年~92年頃でバブル経済の余熱が漂っていた頃だ。もちろん、今はバブルではないが、アベノミクス効果という特徴がある。

問題は今がアベノミクス効果の余熱状態かどうかということである。もし、余熱の中の好調ということならこの先、1990年当時と同じように消費不振が待ち構えていることになってしまう。

「食料品の好調」が意味するのは庶民の生活苦

もう1つ気になる点もある。9月のスーパー全体の売上は2.9%の伸びだが、その中心は全体の約6割を占める食料品が3.7%増と大きく寄与していることである。

食料品といえば、言うまでもなく生活必需品である。人口減少社会の中では、「購買数量」が大きく増えているとは思えないから、売上伸長は、商品の「価格上昇」によるものとみられる。

生活者は、天候不順の影響で高騰した野菜を、必需品ということで渋々購入しているのではないだろうか。

23年ぶり売上好調をアベノミクス効果による消費好調と素直に受け取ることができないのである。そんな中でとくにマーケットが恐れるのは、消費が好調だから景気対策は必要ないと当局が判断してしまうことであろう。

日経平均株価 月足(SBI証券提供)

日経平均株価 月足(SBI証券提供)

【関連】誰が得する?「消費税アップ」と「法人税ダウン」の危ない関係

日刊株式投資情報新聞』(2015年10月22日号)より一部抜粋
※チャートと太字はMONEY VOICE編集部による

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