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安倍さん正気?「外国人単純労働者受け入れ」は実質賃金ダウンへの道=三橋貴明

ロイターの調査によると、中堅・大企業が外国人単純労働者の受け入れを支持している割合は76%。数字を見ると産業界の多くが支持していると言えるのではないでしょうか。しかし、この風潮に疑問を投げかけるのが作家の三橋貴明さん。三橋さんは安倍政権が推進する外国人移民政策が経済面に与えるデメリットを指摘します。

記事提供:『三橋貴明の「新」日本経済新聞』2015年10月17日号より
※本記事のタイトル・リード文・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部によるものです

移民受け入れ政策は日本の経済成長にブレーキをかける

産業界は外国移民受け入れを支持、しかし日本経済にとって問題あり

10月ロイター企業調査によると、少子高齢化による人手不足の解消に向け、外国人単純労働者を適切な処遇で受け入れることについて、全体の76%の企業が「積極的に」、ないし「ある程度」支持すると回答した。ただ、現状では不法就労者増大による治安悪化も懸念されており、政府が受け入れ方針やルール策定に取り組むべきとの意見が多い。

この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に9月30日─10月9日に行った。回答社数は260社程度。(後略)
出典:ロイター企業調査:外国人単純労働者受け入れ、76%が支持(Reuters)

76%支持というのは、「日本国民」ではなく、中小企業ですらなく、資本金10億円以上の中堅・大企業400社が対象という点にご注意ください。ドイツに限らず、日本にしてもいわゆる「産業界」は外国移民受け入れに賛成するわけです。

現在の日本が外国移民を受け入れることは、もちろん治安や社会の安定、文化伝統の継承といった点でも問題だと思いますが、わたくしは「経済面」のみを指摘し続けています。

実質賃金上昇の機会を潰す安倍政権の外国移民政策

そもそも、現在の日本経済が抱える問題の1つは、国民の実質賃金が下がっていることです。8月の実質賃金が「対前年比」で0.2%増えましたが、すでに日本国民は第2次安倍政権発足時と比較し、5%も実質賃金が低下しているのです。すなわち、貧困化しているのです。

日本の実質賃金指数(右軸)と日経平均(左軸、円)

日本の実質賃金指数(右軸)と日経平均(左軸、円)

上図を見ると、安倍政権下で実質賃金が、主に2度、大きく落ちていることが分かるでしょう。1度目は初期。金融政策で円安にし、輸入物価を押し上げたにも関わらず、給料の伸びが追い付かず、実質賃金が下がりました。

そして、2度目は言うまでもなく、強制的な物価上昇である消費税増税です。実質賃金を引き上げるためには、「人手不足」が必要です。そして、我が国はこのタイミングで生産年齢人口対総人口比率が低下してきており、必然的に「超人手不足」になります。つまり、安倍政権が「何もしなければ」実質賃金が継続的に上昇していく局面が訪れるのです。何と、幸運な国!

ところが、安倍政権が推進している外国移民政策は、国民の実質賃金上昇の機会を潰します。そもそも、なぜ経営者が外国人労働者を雇いたいのかといえば、「賃金が安いから」他に理由はないのです。

人手不足を外国人労働者で補うと経済成長率は抑制される

2つ目。経済成長とは、インフレギャップ、つまりは需要過多、供給能力不足、人手不足の状況で、生産者1人当たりの生産を増やす「生産性の向上」以外では、まず起きません。特に、日本のような人口大国では。

経営者が設備投資や人材投資、技術開発投資で生産性向上を目指すのは、どのような時期でしょうか。もちろん、超人手不足の時期です。

日本の高度成長期は、まさに超人手不足のインフレギャップ下の生産性向上⇒国民の所得拡大⇒国民経済の需要拡大⇒インフレギャップ拡大⇒生産性向上という循環が繰り返されることにより達成されました。そして、今後の日本国は、まさに「超人手不足のインフレギャップ」という、高度成長期と同じ環境になるのです。(人口構造の変化により、100%なります。と言いますか、なりつつあります)

ところが、超人手不足を「外国人労働者」で埋めてしまうと、企業は生産性を向上する必要がありません。すなわち、経済成長率が抑制されます。だから怒っているわけですよ、わたくしは安倍政権の移民政策に!

不景気になったら解雇。その無責任さが日本を亡国へ誘う

ちなみに、外国人労働者受け入れに賛成する経営者に、「人手不足で仕事が沢山あるときは、外国人を雇うのでしょうが、不景気になり、人手がいらなくなったらどうします?」と、訊ねてみたところ、「それはもちろん、解雇するでしょ」と、答えました。

解雇された外国人労働者は、日本の社会保障で保護しなければなりません。すなわち、件の経営者は、「景気が良い時期は、外国人を雇い、利益を最大化する。景気が悪くなれば解雇し、日本社会に負担を押し付ける」と、堂々と宣言したことになります。この手の「無責任」というか「無感覚」、あるいは想像力の欠如、思考の停止こそが、日本国を亡国へと誘うのだと思うのです。

いずれにせよ、日本国が外国移民を受け入れることは、「経済成長を妨げる」のです。GDP600兆円という目標(大した目標とも思いませんが)を掲げた安倍総理は、あるいは自民党の国会議員の皆さんは、当然ながら経済成長率を抑制する外国移民受け入れには、反対なんですよね。

みなさん、国会議員(自民党でなくてもいいです)と話す機会があれば、是非とも上記の「理論」を理解した上で、突っ込んで差し上げて下さい。日本の経済成長に、外国人労働者は不要です。

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