価格を決める市場は集団心理
人は集団になると、違った心理になります。国と国の戦争や、チームスポーツを想定すれば、集団心理のありようが分かります。
心理は、自発的で能動的な理性と違い、現象に対する受動的な感情であり、行動を促すものです。同じく行動を促す意思は、理性の領域のものでしょう(カントに基づくものですが、用語は変えています)。
株価・不動産の資産バブルと、バブルの後100%の確率で起こる崩壊も、集団心理が引き起こします。人は影響を及ぼしあって、社会を作っています。国外には脱出できても、社会からは遁走ができないため、バブルとバブル崩壊は一定の時間をおきながら「繰り返し」ます。
交易のない孤島に1人なら社会はなく、本能で食をとる動物のように自然のものはたタダで、資産バブルも崩壊もない。もともと価格がないからです。経済の価格は所有者があり、それを人が買うときのものです。
商取引と価格は、心理が影響し合う社会の中で生じます。経済は、人が影響し合っている社会で起こる商取引です。人の心理は「社会と組織の場」で交流し合っています。組織の空気、社会の空気がそれです(山本七平)。その状態を書くのが経済紙です。
<20世紀から21世紀のバブルの崩壊>
資産バブルの大きな崩壊は、
(1)まず、米国の1929年からの大恐慌
(2)世界大戦(経済的には蕩尽と大規模破壊)を挟んだので61年間起こらず
(3)戦後は、日本の1990年から崩壊した資産バブル
(4)その10年後は、米国の2000年に崩壊したIT株バブル
(5)8年後の2008年は、米国のサブプライムローンの不良債権(デリバティブ)から始まったリーマン危機
いずれも、利下げによる過剰なマネーが資産バブルを引き起こし、不良債権の増加から崩壊しています。
GDPの成長率に対して、マネーの総量(世帯と企業の預金であるマネーサプライ+中央銀行が発行するベースマネー)の増加率が高いことが続くと、過剰になったマネーは、資産(株と不動産)に向かいます。
日本以外の世界では、今、不動産バブルの最中です。日本は、人口減の予想から、ゼロ金利の体制でもさして上がっていない。空き家も820万戸もあり(2013年)、1年に13万戸は増えるので、現在は880万戸~900万戸でしょう。
そして、数年から10年は、株と不動産が経済非合理的な価格に上がっても、買われ続けてバブルになります。
そのバブルは、(1)金利の上昇、(2)マネー量の縮小、(3)あるいは、高すぎたGDPの期待成長率の低下、といういずれかの要因によって、100%の確率で崩壊します。
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