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避けられない「世界同時不況」は2019年に起こる?引き金を引くのは中国か米国か欧州か=高島康司

中国政府の公式発表

またほぼ同じタイミングで、中国政府は2018年度のGDP成長率を発表した。

2018年の第4四半期(10月から12月)のGDP成長率は前年同時期と比べてプラス6.4パーセントにとどまり、2018年の第3四半期の6.5パーセントからは0.1パーセント減速した。昨年1年間のGDPは6.6パーセントで、これは天安門事件翌年の1990年以来、28年ぶりの低水準である。

中国経済の減速は大きく報道されているものの、これは中国政府が2018年の目標成長率が6.5パーセントなので、たいした減速ではないのではないかとの印象が強い。

貿易戦争による厳しい高関税の適用にもかかわらず、中国経済はそれなりに健闘しているように見える。

IMFの発表したドイツ経済の減速

いま主要メディアで報道されているこのような内容を見ると、将来いずれかの時点で不況がやってくるとしても、少なくともそれは2019年や2020年ではないと考えられる。この見通しは多くのエコノミストの予想とも一致している。

しかし、IMFが発表した経済見通しの数値や、さまざまな機関が発表した中国経済の数値を見ると、こんな悠長なことをいっている状況ではないことがはっきりする。

IMFの見通しで焦点となるのは、ヨーロッパの数値だ。特にドイツ経済の減速が深刻だ。2019年におけるドイツの成長率の見通しは1.3%と昨年の10月の見通しから30パーセント(0.6ポイント)も下方修正した。2017年のドイツの成長率は2.4パーセントだったので、それと比べるとこの数値は、ドイツが不況に突入したといってもよいくらいの減速だ。

また、国債の利回り上昇が成長の障害となっているイタリアは0.4ポイントの下方修正で、2019年と2020年はそれぞれ0.6パーセントと0.9パーセントの成長になった。

さらに「黄色いベスト」の抗議運動が続くフランスは、2019年が1.5パーセント、2020年が1.6パーセントで、2019年は0.1ポイントの減速となった。

2019年におけるユーロ圏全体の成長率は、従来よりも0.3パーセント低い1.6パーセントであった。2017年が2.5パーセントの成長率だったので、これは大きな減速だ。

2019年は、イギリスの合意なきEU離脱や、EU解体を主張する極右政党の躍進が予想されているEU議会選挙など、結果が予測できない出来事が多い年になる。これらの出来事の思わぬ結果からEU全体が不安定になり、ユーロ圏全体がさらに減速して、不況に突入する懸念も出てきている。

Next: 中国の実質成長率は1.67パーセント?日本もしかり、経済の実態は表に出ない…

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