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統計不正発覚後も「戦後最長の景気拡大」と胸を張る安倍政権、実感できない国民を完全無視へ=斎藤満

データが裏付ける実感のなさ

安倍政権の説明と国民の実感との大きな乖離は、どう説明したらよいのでしょうか。

これに対して、最も基本的なデータが答えてくれています。それがGDP(国内総生産)の数字です。先日、昨年10-12月期のデータが公表されたので、少し数字にお付き合いください。

いざなみ景気」は2002年1月を底に、2008年1月まで続きました。この間の実質GDPは6年間で10.1%拡大し、このうち家計消費も5.7%拡大しています。

これに対して今回の「戦後最長景気」は、この間の実質GDPが6.9%成長にとどまり、「いざなみ」の3分の2しかないばかりか、実質家計消費は6年で1.6%しか増えていません。これが「回復の実感がない」正体です。

安倍政権下での戦後最長の景気と言っても、実際は14年春の消費税引き上げ前までの1年ちょっとの間だけで、14年春以降は長い間低迷が続いています。

実際、内閣府の景気動向指数の「一致CI」は2014年初めの水準をいまだに超えられていません。そもそも消費税を引き上げた14年4月から1年半以上にわたって、日本の景気は「後退」局面にあった可能性があります。

民主党時代は悪夢だったのか?

また安倍総理が「悪夢のような民主党政権」と言いましたが、民主党政権下ではリーマン危機の影響を引きずったほか、東日本大震災が発生したため、民主党政権の3年余りで実質GDPは0.1%のマイナスとなりましたが、その中でも実質家計消費は2.8%増と、安倍総理の6年間よりもむしろ大きく拡大し、家計の生活は改善しています。

つまり国民にとっては、わずか3年間の民主党政権時の「回復」が6年にも及ぶアベノミクス景気を凌駕しています。

国民生活の視点から見れば、今回の「戦後最長の景気拡大」は悪夢のような民主党政権下の成果をも下回る「戦後最悪の景気拡大」ということになり、安倍総理流に言えば「悪夢のようなアベノミクス」ということになります。

失業者数は実態よりも少なく見えている?

裏を返せば、安倍総理が自慢する雇用賃金の拡大、というのは「信頼のおけないデータ」によるもので、GDPや家計消費の実績から見ると、これら雇用、賃金統計が実態と乖離した「忖度データ」であった可能性が高いことになります。

雇用関連の統計、つまり有効求人倍率などを掲載する厚生労働省の「一般職業紹介」と、雇用、失業率を示す総務省の「労働力調査」を疑ってみる必要があります。

これらの統計の問題点はすでにご紹介しましたが、失業保険をもらえない65歳以上の失業者が増えているため、失業保険申請の場てあるハローワークに申請に行く人が少なくなり、その分「有効求職者」が実態よりかなり少なくなり、分母が小さい分有効求人倍率が高くなり、さらに都道府県が個別に調査しているはずの労働力調査が、都道府県のハローワークデータに多くを依存する分、失業者が過小表示されている可能性があります。

Next: 忖度データで「戦後最長の好景気」と言われても…

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