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総務省にもデータ偽装疑惑、なぜか家計調査で60歳以上の世帯が減少する不自然さ=斎藤満

実態隠しの前科

こうした嫌疑をかけられる背景には、総務省が安倍政権に「忖度」して指標を「修正」した前科があります。

昨年、安倍総理は国会で「エンゲル係数」の上昇を問いただされました。エンゲル係数とは、家計消費に占める食料支出の割合で、生活が豊かになるにつれてこの数字が低下するのが一般的です。実際、1980年から2005年にかけては所得の増加、生活水準の上昇とともに、エンゲル係数は29%から22.9%に見事に低下傾向を見せました。

また、所得階層別にみても、低所得層ほどエンゲル係数が高く、高額所得層はこれが低く、食料費以外の随意的な支出に振り向ける余裕があります。

このエンゲル係数は2005年に下げ止まり、以後2012年まではほぼ横ばいでしたが、安倍政権になって2015年、2016年に大きく上昇、2年間で1.8%ポイントも上昇し、2016年には25.9%となりました。

「これは安倍政権になって国民生活が貧しくなったことを指すのではないか」との質問を受け、安倍総理は生活パターンの変化で、外食などが増えたためではと苦しい答弁を行いました。恐らく、家計調査のデータを作っている総務省に問いただしたのでしょう。総務省はエンゲル係数の上昇を認め、これは食料品価格の大きな上昇によると説明、それでも半分しか説明できませんでした。

そこで総務省は、エンゲル係数の概念を逸脱して、「修正エンゲル係数」なるものを作成しました。本来の「食料支出/消費支出総額」に代わって、「実質食料支出/実質可処分所得」に置き換え、これなら数値は上昇していない、と説明しました。これは国民生活の悪化を示唆するエンゲル係数の上昇を否定するため、意図的に修正エンゲル係数を作ったのですが、そもそもこれは全く別の概念で、エンゲル係数ではありません。

アベノミクスを傷つけないよう、エンゲル係数が上昇したという事実を隠すために、似て非なる偽装エンゲル係数を作って総理を守ろうとしたのです。官邸への忖度以外の何物でもありません。

物価も偽装か

消費者物価統計については、以前にも当メルマガで低く表示されている可能性をご紹介しました。

【関連】政府の統計以上に物価は上がっている~実質値上げラッシュで国民はますます貧乏に=斎藤満

パンや牛乳パック、チョコレートなど、量を小さくして実質値上げを行っている食料品などが把握されず、実体より低くなっていること。パソコンやカメラ、電子レンジ、自動車など、機能向上分と称して、恣意的に統計値を下げているものが少なくありません。20年前に1台20万円程度だったノートパソコンは今50分の1の価格扱いになっています。現実はやはり20万くらいしていますが。

このため、消費者の「実感」は3%前後のインフレだというのに対し、消費者物価統計では1%弱の上昇と、両者に大きなギャップがあります。恣意的な価格の取り扱いを考えると、消費者の実感に近い物価上昇となっている可能性を指摘しました。

問題は、その影響です。

Next: 政府には物価が上がってもらっては困る事情があった

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