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消費税引き上げはこのまま行われるのか?この先の日経平均株価を占う3つのストーリー=伊藤智洋

1万6,000円を割れると大規模な経済対策を実施

最近のネットメディアで、元大蔵省官僚の高橋洋一氏は、「5月20日に発表される2019年1-3月期のGDP速報値が極端に悪い数値になっている場合、それを理由に消費税引き上げを延期する可能性がある」と述べていました。衆参同日選挙を想定し、日程的にまだ間に合うと考えているからこその意見です。

5月20日のGDPが悪い数字となっても、(安倍政権が株価を景気判断の目安の1つとしているので)株価にそれほど影響のない状況なら、財務省の強い反対を押し切り、あえて次の総理に判断をまかせる決断に至らないのではないかと考えられます。少なくとも、多くの市場参加者が「当面、日本株はダメだ」と思う程度まで、日経平均株価の下げ幅が拡大している必要があります。

だとすれば、日経平均株価は、5月20日のGDP速報値をきっかけに、またはその前に、昨年12月の安値1万8,948円を大きく下回る動き(1万8,360円割れを達成する動き)があらわれると考えられます。

日経平均株価は、4月が上げやすい時期になります。年間が弱気に推移する年であっても、4月に積極的に下値を掘り下げる展開になりにくく、価格が上値を試す流れを作るか、下値堅く推移する傾向があります。

5月20日に一気に1万8,948円を大きく下回る動き(1万8,360円割れを達成する動き)があらわれるとするなら、それまでの期間で1万8,948円に下値堅さがないだろうと推測できる値動きになっている必要があります。下げられる期間は、3月中か、4月後半以降になります。

来年以降、日経平均株価が3万1,000円以上を目指す大幅高を期待できる展開があるとするなら、5月20日前後に1万8,948円を割れて、1万8,360円以下を達成する展開になり、それをきっかけに消費税引き上げを延期するというシナリオだけだと考えられます。しかし、これは、最も期待値の低い展開です。

消費税引き上げを延期できる程度のインパクトのある下落があるとするなら、最も有力なものは、1万6,000円以下の値位置まで下げる展開です。90年以降、日経平均株価が1万6,000円以下の値位置へ入ると、大規模な経済対策や、金融緩和など、価格を押し上げる政策が実施されています。

5月から6月にかけて、株価が1万6,000円以下へ下げる展開になっているなら、過去の経験則からも、消費税を延期する可能性が大きいのではないかと推測できます。

Next: 消費税引き上げが実施された場合の日経平均は?

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