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【展望】米利上げ確実視で片張りは難しく。材料株の機動売買で対応を=山本伸一

先週の日経平均株価は12月1日(火)に2万円台を回復するも、週後半にかけてECB追加緩和への失望感や欧米市場の急落、イベント警戒の手仕舞いに押され下落して週の取引を終えました。

4日(金)の11月米雇用統計は予想を上回る好結果となり、またイエレンFRB議長の講演・議会証言も12月利上げに前向きな内容だったことから、再来週のFOMCでの利上げはほぼ確実な情勢に。12月7日週は、売り・買いどちらか一方にポジションを傾けにくい相場環境となりそうです。株式評論家・山本伸一さんが解説します。

12月利上げはほぼ確実な情勢に。日本市場への影響は?

まずはこの1週間(11月30日週)の相場動向を振り返り

11月30日週の株式相場は、堅調展開も金曜日に売り直された先週の流れを引き継ぎ、月曜日も売り優勢の展開。ただ、火曜日に買い直されると、水曜日、木曜日と底堅い展開が続いていたものの、金曜日には売り込まれており、下値不安が燻る展開となっています。

日経平均株価は、先週末の1万9800円台から、月曜日に1万9700円台まで調整したあと、火曜日には大台2万円を奪回。水曜日から木曜日まで1万9900円台で推移していたものの、金曜日には1万9500円台を割り込むなど、先週より水準を切り下げてきました。金曜日の日経平均株価は、1万9504.48円で今週の取引を終えています。

日経平均株価チャート 2015年12月04日終値

日経平均株価チャート 2015年12月04日終値

その前週には日米とも祝日休場があり、地政学的リスクの高まりが上値を抑えたものの、市場参加者減少で「閑散に売りなし」の需給要因もあり、概ね底堅く推移していました。

ただ、11月27日(金)に続いて30日(月)の東京株式市場でも中国株安が直撃。上海市場の下げ幅が拡大したことで、東京市場では売り注文が増加。アジア市場が軟調に推移したことが重しになり、日経平均株価は安1万9707.67円と1万7000円割れ直前まで下げ幅を拡大する場面もみられましたが、12月1日(火)には中国株も下げ止まり、円安推移とともに買い直されると、日経平均株価は8月以来となる大台2万円奪回を果たしました。

水曜日から木曜日にかけては、木曜日の海外時間帯で開催されるECB理事会での金融緩和政策が注目されたほか、金曜日の海外時間帯で発表される米雇用統計が米国金融政策の利上げ動向を左右するため、イベント警戒の手仕舞いに押される流れに。

注目されたECB理事会では中銀預金金利を現在のマイナス0.20%からマイナス0.30%に引き下げたほか、債券購入プログラムの期間の6ヵ月延長を決めたものの、市場の反応はユーロ高、欧州株安と失望される結果に。金曜日には外部要因悪化とともに売り込まれるなど、イベント結果が相場に影響を与えました。

値動きが激しかった個別銘柄をおさらい

個別銘柄では、日経平均株価が大幅反落すると、日経平均株価構成比率上位のファーストリテイリング<9983>、ファナック<6954>、ソフトバンク<9984>も売られており、指数レバレッジETFの日経レバレッジETF<1570>、日経平均ブル2倍<1579>、指数連動投信の日経225連動投信<1321>も値下がりしています。

日経平均構成銘柄では、ファーストリテイリング<9983>が続落。12月2日引け後に発表した11月の国内ユニクロの既存店売上高は前年同月比8.9%減となり、例年より高めで推移した気温とともに冬物商品が苦戦したことが嫌気されました。日経平均株価構成比率上位の同社株が売られたことで、株価指数全体の上値も抑えられた形です。

ファーストリテイリング<9983> 日足(SBI証券提供)

ファーストリテイリング<9983> 日足(SBI証券提供)

ECBの利下げの失望感もあり、ユーロ高も株安とともにドルが軟化したこともあり、中核銘柄ではトヨタ<7203>、ソニー<6758>、日産自動車<7201>の外需関連、三菱UFJFG<8306>、三井住友FG<8316>、みずほFG<8411>のメガバンクが売られました。

また、パイオニア<6773>も反落。転換社債型新株予約権付社債(CB)を総額150億円発行するとの発表で、将来的な一株利益の希薄化が嫌気されましたが、ドイツ証券に割り当てたCB転換価格は456円となり、水準訂正余地から下げ渋る動きとなるなど、押し目を拾う向きも見られています。

パイオニア<6773> 日足(SBI証券提供)

パイオニア<6773> 日足(SBI証券提供)

一方で、シャープ<6753>は急伸する場面も。産業革新機構が子会社化して会社全体の抜本的な立て直しを進める検討をしているとの報道が買い材料視されました。主力の「亀山工場」でテレビ向けの液晶パネルの生産を縮小するとも伝わり、事業構造改革とともに見直し買いを誘ったようです。

シャープ<6753> 日足(SBI証券提供)

シャープ<6753> 日足(SBI証券提供)

ミネベア<6479>は、月次売上高報告で11月のLEDバックライト売上高が約240億円となり、10月の365億円から減少したことが嫌気されて売られると、デバイス関連の村田製作所<6981>、アルプス電気<6770>なども売られました。

液晶から有機EL関連へ物色テーマがシフトするなか、液晶関連銘柄への見切り売りが加速したようです。HOYA<7741>、オリンパス<7733>、ニコン<7731>の精密機械なども売りが目立ちました。

指数が反落した4日の金曜日でも存在感を発揮したのは日本郵政<6178>。軟地合いのなか新値追いに着目した短期資金が流入して上場来高値を更新。発行済み株式総数の8.5%に当たる3億8330万株の自社株も買い材料視されたようです。また、上場から1ヵ月経過で証券会社など調査機関のレポートなどが明らかになることも思惑につながりました。

日本郵政<6178> 日足(SBI証券提供)

日本郵政<6178> 日足(SBI証券提供)

また、富士通<6702>、東芝<6502>、ソニー<6758>のパソコン部門が独立したVAIOの3社がパソコン事業を統合する検討に入ったとの観測報道が買い材料視され人気化。競争が激しい分野として認識されており、構造改革の一環として評価する向きが多かったようです。

新興材料株で注目を集めた銘柄をチェック

新興材料株では、子会社のヘプタレスと米ファイザーが新規医薬品で戦略的提携するとの材料性が継続視されたそーせいグループ<4565>が連日で全市場の売買代金上位に進出して続伸。

そーせいグループ<4565> 日足(SBI証券提供)

そーせいグループ<4565> 日足(SBI証券提供)

ユーグレナ<2391>もミドリムシから作る航空機燃料を2020年までに実用化すると報じられ、燃料精製設備建設も伝えられたことが刺激材料となり急伸。バイオ関連ではオンコセラピー・サイエンス<4564>も賑わうなど、テーマ人気につながっています。新興軽量級のフューチャーベンチャーキャピタル<8462>も人気化しました。

ただ、アップル関連銘柄として注目を集めた有機EL関連の倉元製作所<5216>も賑わったものの、伸び悩む動きも見られており、短期資金の手仕舞い売りも確認されています。

ケミプロ化成<4960>が利食いに押された半面、アルバック<6728>が賑わうなど、関連銘柄にも選別色が広がってきている模様。

ジャパンディスプレイ<6740>がシャープ<6753>液晶事業を子会社化するとの観測報道も話題になりました。

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