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なぜ「日本は消費税26%必要」と国際機関が勧告?裏で財務省が根回しか=大村大次郎

そして、このOECDの勧告では必ず、ヨーロッパ諸国の間接税と比較されます。日本の消費税はヨーロッパ諸国に比べて低いという結論に持っていこうとするのです。

が、ヨーロッパ諸国は、低所得者に対して、所得補助や住宅補助などの手厚い支援を行った上で、消費税を課しているのです。そういう支援がまったく充実していない日本に、消費税だけを導入しようとするのは、無理な話なのです。

そういう「総合的な検討」がまったくなされずに、ただただ消費税を引き上げろというのは、非常に乱暴な話です。本来、国際機関がこんな暴論を押し付けてくるはずは絶対にないのです。

では、欧米諸国は実際に、日本の消費税増税のことをどう思っているのでしょうか?

まあ、欧米諸国はどこも日本の消費税などにそれほど関心は持っていません。が、アメリカの新聞が今月初めに日本の消費税についての記事を書いていますので、それをご紹介しましょう。

4月5日付のアメリカの大手新聞であるウォールストリート・ジャーナルは、日本で10月に予定される消費税率引き上げについて「安倍晋三首相は増税によって、景気を悪化させようと決心しているように見える」と揶揄する社説を掲載しました。

この社説では、「現在の日本の経済指標はさえない内容」「日本経済は中国や欧州など世界経済の減速の影響を受けやすい」と指摘しています。またアベノミクスの「第3の矢」とされる成長戦略は「全く始まっていない(効果が見られない)」と断じています。そのため安倍氏にとって「増税は自傷行為になろう」と皮肉ったのです。

ウォール・ストリートジャーナルは、もちろん日本の資本などは入っていませんし、日本の思惑などはまったく気にすることなく、自由に発言できる立場にいます。そして、アメリカを代表する報道機関でもあります。

このウォール・ストリートジャーナルの社説こそ、欧米諸国が日本の消費税に対して感じている本音にもっとも近いものだと思われます。

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