ITベンチャーに強いベンチャーキャピタルBattery Venturesが、SaaS業界に関する最新トレンドを発表。その資料からわかった、これからのSaaS業界の方向性とは?(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年7月4日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
SaaSビジネスには、まだこれからも成長余地があるのか?
Q. 2019年のSaaS関連の新しいトレンドとは?
#1: SaaSの「40%ルール」より「売上成長率」が重視される時代へ
#2: 「従業員あたりのARR」で成熟度が分かる
#3: SaaS企業の売上マルチプルは7.6倍まで上昇
#4: SaaS企業の売上マルチプルには売上成長率だけでなく利益も影響する
#5: SaaS企業の資金調達ラウンドは大型化する一方
最近SaaSビジネスの記事を沢山書いている気もしますが、今日もSaaSビジネスネタになります。
最近Battery Ventures(シリコンバレー、ボストン、イスラエルにオフィスを構えるベンチャーキャピタル。ITベンチャーに積極的に投資している)というベンチャーキャピタルが、SaaS業界に関しての最新トレンドを詳しく解説した以下の資料を発表しました。
※参考:Software 2019 by Battery Ventures(2019/5/2)
この資料は2019年時点でのサービス業界のトレンドを非常に端的に表している、とても素晴らしい資料だと思いましたので、今日はこの資料の解説をしていきたいと思います。ご自身で英語で原文が読める方は、この記事を読む必要はないかと思います。
2019年はクラウド > オンプレミスになる年
資料のはじめに、「ソフトウェアがどの程度ハードウェアに置き換わっているのか」という話が出てきます。
2019年はインフラ投資において、クラウドへの投資がオンプレミスへの投資を超える年になると予想されています。
※オンプレミス=on-premises。英語の「premise」は構内や店内を意味します。クラウドに対して、オンプレミスは企業が自社で機器を調達し運用する従来のスタイルを指します。
私の記事を読んでいる方は、いまだにオンプレミスのインフラを使っているのか!と信じられない方もいるかもしれませんが、少なくとも去年の時点では、世界全体で見るとまだオンプレミスへの投資額の方が大きかったという状況でした。
エンジニアの数を見ても、ソフトウェアエンジニアの求人は125万件を超えているのに対し、ハードウェアのエンジニアの求人は7.3万人と、ソフトウェアエンジニアの求人数が2桁も大きな規模になっています。
つまり今後はクラウド型のソフトウェア、SaaSビジネスがこれまで以上に主流になっていくということが明確になっています。
この資料にはこれまでのSaaSビジネスへの評価とは異なる点がいくつか出てきます。今日の記事では、SaaSビジネスはどのように評価されるのかという点に特に着目して詳しく見ていきたいと思います。
この記事はSaaSビジネスを担当されている方、特にCEOやCFOなどSaaSビジネスのKPIを分析する責任者の方、ベンチャーキャピタルなどでSaaSビジネスに投資をする方に役立つ内容になっています。
トレンド#1: SaaSの「40%ルール」よりも売上成長率が重視される時代へ
トレンド#2: 「従業員あたりのARR」で成熟度が分かる
トレンド#3: SaaS企業の売上マルチプルは7.6倍まで上昇
トレンド#4: SaaS企業の売上マルチプルに影響するのは、売上成長率だけでなく、利益も影響する
トレンド#5: SaaS企業の資金調達ラウンドは大型化する一方
『決算が読めるようになるノート』 2019年7月4日号『Q. 2019年のSaaS関連の新しいトレンドとは?』より抜粋
※記事タイトル・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部による
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アメリカ・日本のネット企業(上場企業)を中心に、決算情報から読みとれることを書きます。経営者の方はもちろん、出世したいサラリーマンの方、就職活動・転職活動中の方にも役立つ内容です。