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有望株は「三大武将」で探せ。バフェットはいつも豊臣秀吉のような企業を買う=栫井駿介

外部の力で260年続く「徳川幕府」を築く

企業が大きく拡大し、やがて自分の力だけで成長を続けるのには限界がやってきます。そこで登場するのが「徳川家康」型の経営です。

家康といえば、関ケ原の合戦で天下を手中に収めた後、大名を「親藩」「譜代大名」「外様大名」に分け、それぞれの藩を統治しました。

これは現代で言えば「フランチャイズ経営」です。規模が拡大して自分だけで統治し続けることが難しい場合は、外部の力を使って拡大を目指せば良いのです。

マクドナルドは、フランチャイズ方式を使って全米に展開し、その後世界へも進出しました。前出のコカ・コーラは、各国にボトリング会社を置き、自らは原液を売るだけで世界を席巻しました。

近年の経営で鍵を握るのがM&A(買収・合併)です。稼いだ利益を使って、既存の事業を軸にしながら自分では手をのばすことができない分野の企業を手中に収めていきます。

Facebookは、2012年当時売上がゼロだったインスタグラムを810億円で買収しました。当時は「割高すぎる」と批判されたものですが、今では周知の通り同社の収益に大きく貢献しています。

FACEBOOK INC A<FB> 月足(SBI証券提供)

FACEBOOK INC A<FB> 月足(SBI証券提供)

Googleは、検索から派生するものとして2006年にYouTubeを2,000億円で買収しました。検索との関連があり、来るべきインターネット動画を見据えての買収だったのです。その後のユーチューバーなどの隆盛を見るにつけ、いかに重要な買収だったかが分かります。

ALPHABET A<GOOGL> 月足(SBI証券提供)

ALPHABET A<GOOGL> 月足(SBI証券提供)

家康は「外部の力」を使うことで、260年にわたる徳川幕府の基礎を築きました。企業が大きくなってからもさらに成長し続けるためには、拡大志向のこのような視点が求められるのです。

私たちそれを実践する会社を見極めて、株価が下がった時に投資し、持ち続けなければなりません。

戦国大名の話で例えることで、少しでもわかりやすく投資のことをお伝えできたでしょうか。あなたがこれから投資するとしたら、自分は今どの大名に投資しようとしているのか、一度考えてみると良いでしょう。
※史実ついては必ずしも正確性を期しているわけではありません。ご了承ください。


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image by:cowardlion / Shutterstock.com

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本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2019年7月30日)
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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