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有望株は「三大武将」で探せ。バフェットはいつも豊臣秀吉のような企業を買う=栫井駿介

絶好の買い場となる「豊臣秀吉」を見極めよ

扱いが難しく、株価が割高な時に無理をしてはいけません。狙い目があるとしたら織田信長から「豊臣秀吉」になったときです。

秀吉は、信長のあとを継いで天下統一を成し遂げましたが、一方では周辺の危険因子を徹底的に排除したり、はたまた突然朝鮮出兵を行ったりしました。

これは「守り」に入ったと同時に、独自色を打ち出そうとしておかしな経営の方向に舵を切る、二代目経営者とよく似た傾向です。

素晴らしく成長してきた企業でこのようなことが起こり、業績が傾き始めると、それまで礼賛していた投資家が離れ始めます。

例えるなら、スティーブ・ジョブズが最後に退任したあとのAppleです。当時はマップにたくさんの不具合が生じたり、新商品の革新が止まったと言われるなど、散々な評価でした。

一方で、秀吉は「太閤検地」「刀狩り」など、徳川幕府でも受け継がれる統治の基礎を作りました。信長(創業者)が作り上げた基礎をしっかり固めたという点で、「守り」も悪いことばかりではありません

Appleも、ジョブズの革新性こそ失ったかもしれませんが、iPhoneを基盤とした「サービス事業」に力を入れ、革新がなくとも長期的に利益を生み続ける経営にシフトしたのです。

ジョブズの退任後のいざこざで一度下がった株価は再び大きく伸び、一時は世界一の時価総額にまで成長しました。

APPLE INC<AAPL> 月足(SBI証券提供)

APPLE INC<AAPL> 月足(SBI証券提供)

※ジョブズの退任は2011年8月。マップに問題が生じたのが2012年9月頃

投資家は、問題が生じて株が売られた時に、もともと持っている強みに着目して優劣を判断しなければなりません。Appleのマップに問題が生じた頃のPERは12倍程度で、バフェットが買い始めた頃と一致します。バフェットはこのような時に買っているのです。

Next: 株価が下がった時に投資して、「徳川家康」になったら持ち続けること

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