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「マイナス金利」をミスリードして伝えたテレビへの失望と、1つの気づき=栗原将

テレビの人気ニュース番組が、日銀のマイナス金利政策について「銀行が日銀にお金を預けると、これまでは金利をもらえたのが、今後は金利を払わないといけなくなる」と説明していました。テレビ向けに分かりやすくするにしても、はしょって良いことと、ダメなことがあると思います。(『海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』栗原将)

「超過準備額の一部がマイナス金利に」を伝えなかった人気番組

はしょって良いこと、ダメなこと

昨晩(2/9)22時過ぎに実家に帰ったらテレビの『報道ニュースショー』が放送されていました。あえて名指しはしませんが、個人的には好きな番組ではないので、自分ひとりの時に見ることはないのですが、両親が見ていたのです。

そこで、日銀のマイナス金利政策について特集していましたが、放映内容を見て驚愕しました。かいつまんで言うと、

銀行が日銀にお金を預けると、これまでは金利をもらえたのが、今後は金利を払わないといけなくなる

というものでした。

はしょって良いことと、ダメなことがあると思います。

今回の政策は、あくまで、定められた金額を超過した部分のみマイナスになるものです。

ところが、昨晩の放映内容では、あたかも、全ての金額がマイナス金利になる、というふうに説明していました。

ある程度ちゃんと勉強している人なら、おやっと思ったか、テレビ向けに分かりやすくしているのだろうとも思った事でしょう。

でも、テレビが情報入手のメインになっている人は、この放送の額面通り受け止めたのではないでしょうか。

あれっ?個人預金がマイナス金利になっても、取り付け騒ぎは起きないかも

額面通り受け止めたとしたら、「自分の預金もマイナスになるのかな?」と考えるのが自然でしょう。

何も考えないよりは、結論は間違っていても、考えているだけまだマシだと思いますが、しかし、だからといって、今朝から市中銀行で預金引き出しをしている訳でもありません。

全国ネットの影響力ある『ニュースショー』で放映しているのですから、朝9時の銀行開店の時、少しは行列でもあるのかと思ったら、何もありませんでした。

下手したら、個人預金がマイナス金利になったとしても、「銀行は安心だから」と預けっ放しにする人が多数となるかもしれないと思い始めました。

こうなってくると、もはや、人は合理的な行動を取る、という経済学理論では全く説明できない状況となりますから、この先の経済の舵取りは預言者か心理学のプロに任せないといけないかもしれないですね。

【関連】個人預金へのマイナス金利適用が「絶対にないとは言い切れない」理由=久保田博幸

海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』(2016年2月10日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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