フィットネスジムにおけるユーザーペインの解消:サブスクリプションとシェアリングエコノミーの境目
シバタ: 今話したようにサブスクリプションはハードルが高いと。毎月毎月、お金と時間をコミットしなきゃいけないから、ハードルが高くて、「そこまでじゃないけどもうちょっと軽く使ってみたい」という人にサービスが提供できない、という話はあったと思うんですけど。
柿花: そうですね。そこがサービスの本質なんです。
シバタ: シェアリングエコノミーってそういう意味ではすごくいいかなと思っていて、使いたいときだけ使って、使った分だけを払う、という感じのサービスは最近増えているじゃないですか。Uberとかスペースレンタルとか。使った分だけ払うという払い方にどんどん向かって行っているとは思うんですけど。ジムの業界では、どんなユーザーペインがあるんでしょうか?
柿花: 退会理由としてこういうデータが出ています。
・時間が合わない
・環境の変化
・会費が高い
・割高
・面倒くさくなって辞める
ターゲットでいくと、大きく4つあると思っています。
まずはライトユーザー。とにかく敷居が低くなってライトユーザーが通える。
2つ目が、通勤利用者。千葉に住んでいて東京に通勤している場合、“千葉と東京、どっちで入ろうかな?”と迷っている人たちが、“千葉でも東京でもどっちでも行けるよ”、となれば、対象になっていきます。
3つ目は、すでにフィットネスジムの月額会員で通っている(ヘビーユーザー)が、多様なメニューに挑戦したい人たち。僕たちは、ジャンルも幅広く揃えていこうと思っていまして、今だったらトランポリンとかボルダリングとかあるので、そういった運動をたまにやってみたいと思ったり、多様なメニューに挑戦したい人たちに提供できるかなと。
最後に退会者。
僕もそうなんですけど、一度月額会員を辞めちゃうと、次に“もう1回やろうかな”という気に、なりづらいですよね。そのときにもう1回行くきっかけづくりみたいなところであると思うので、そういうユーザーもターゲットにしています。
・ライトユーザー
・勤務先と自宅近くの両方を利用したい人
・気軽に他のメニューをやってみたい人
・退会後の人
シバタ: 今の話すごい面白いと思っていて。頻度が本当に高くてバンバン使っている人は月額ユーザーになっているはずだし、多分そこは変わらないだろうと。一方で、頻度がそこまで高くない、少し試してみたい、けど月額会員にコミットするまでではないという人が実は膨大にいて、そこのマーケットが非常に大きいんじゃないかという話ですよね?
柿花: はい、そうですね。そこに大きな潜在ニーズがあると思っています。
シバタ: すごい面白いですね。ちなみに、ジム側というか店舗側から見た場合は、いろんな見方があると思うんですよね。例えば、一つ目はジムは常に満員なわけじゃないので、満員じゃない時間に都度課金でも来てくれる人がいるのはうれしいという話。これがジム側のメリットの一つ目で、ユーザーペインの解消によって都度課金ユーザーが手に入る。一方で店舗としては、どうしても月額会員のモデルを売りたいはずなので、月額会員、あるいは幽霊会員が減ってしまうんじゃないかという恐怖もあると思います。その辺はどういう反応なのかを、詳しく教えて下さい。
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※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2019年7月30日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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『決算が読めるようになるノート』 2019年7月30日号『フィットネス業界に見るサブスクリプションとシェアリングエコノミーの補完関係(前編)』より抜粋
※記事タイトル・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部による
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