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トランプ大統領に翻弄される日本市場、15年で一番の夏枯れ相場はどう動くのか?=山崎和邦

FOMCで0.25%の利下げが行われ、トランプ大統領の対中追加関税の表明をきっかけに下げ相場となった。これからの市場の動きを左右するのは何となるのか。(山崎和邦)

※本記事は有料メルマガ『山崎和邦 週報『投機の流儀』』2019年8月4日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

当面の市況

FRB、10年ぶりの緩和に転じ0.25%利下げを先週31日に発表した

標題の件は市場の予想通りだった。しかも、今後の利下げ可能性には言及しなかった。市場は当然に材料出尽くし感に満ちて、翌日のNY株は当然のこととして下がった。

利下げ期待の相場に燃え尽き症候群、トランプに操られている相場付き

先週々末は下げ幅が一時550円あり、これは3月15日の650円安以来約4ヶ月ぶりの下げ幅だった。元号が令和に入って最大の下げとなった。

ひとことで言えば、FRBの利下げ期待という一点に集中して期待をかけた「不自然で不健全な相場付き(★註)」だったから、月末のFRBの0.25%引き下げの発表を待って、利下げ期待一点張りの相場の燃え尽き症候群が来たというだけの話しだ。

(★註)相場付きに「不自然」とか「不健全」と評するのは適切ではないことは承知の上で述べている。そこに在るものが厳として相場なのだ。

トランプが対中追加関税の発動の表明をきっかけにした下げ幅だが、それがあろうがなかろうが要するに利下げ期待相場の燃え尽き症候群は起きるべくして起きたと言わねばならない。

移動平均の25日線・75日線・200日線が接近し合ったり重なったりすると上下いずれかに大きく変動するというアノマリーが昔からあったが、それが形となって現れたに過ぎない。

550円を超える下げ幅とはいっても売買代金は2.8兆円だから、必ずしも本格的な下げ相場とは言えない。先週後半3日間は2兆円超が続いたが、週末の大幅下げは薄商いの中の大幅下げであり本格的な下げ相場の様相ではない

トランプはNYダウが新高値を切り上げて燃焼し尽くすと、来年11月の選挙に不都合だからこの辺で冷やしておこうという腹で対中追加関税をFRB利下げ期待の燃え尽き症候群とタイミングを合わせて発動したのであろう。トランプは、NY相場は自分の意のままに操作できると思い込んでいるところが始末に負えないところだ。しかし、今のところはトランプに牛耳られた「不自然な相場」「不健全な相場」と言いたい。

市場の主役は夙に変わっていた

売買代金が昨年と打って変わって縮小している。先々週までは6日間連続して2兆円割れとなった。先週も週初の2日間は2兆円割れだった。(先週後半は3日連続の2兆円超だったが、FRB利下げ期待の賞味期限切れとともに来た燃え尽き症候群の大幅下げを含めての話だった)。

これには次のような背景があると思う。

株式市場の買い手の主役交代である。7月末にかけて各国の主要中央銀行の金融政策発表が相次ぐ。「好景気中の利下げ」という「本当はやってはならない利下げ」を期待して、「利下げ=株高」と決め付けて、短期的にでも利益を上げれば良しとするヘッジファンドが短期相場の株高を主導してきた。これが売りに回る一方、ここで債券中心の運用で株式市場から一歩引いていた中長期投資家が大底圏内近しと見て買い時を探り始めるだろうが、彼らはヘッジファンドと違って一挙には買わないし、また順張りの高値追いはしない。

ここで相場付きは夙に全く変わったのだ。それが売買代金の継続的縮小に現れていると見なければならないであろう。

短期ヘッジファンドは6月下旬から先進国株への買いを増やしてきた。米中貿易摩擦の再燃に伴う「好景気中の利下げ」を頼りとしてのことだ。

ECBが9月に利下げをするというし、量的金融緩和の再編も示唆した。ドイツの景況感指数は市場予想を大幅に下回り、金融緩和するという思惑が急浮上した。

FRBもECBもドイツも「過度な緩和」の修正が起きつつある。

30日~31日のFOMCでは0.25%の利下げが実施されたが、利下げ幅が僅かとはいえ、「10年半ぶり」のことだ。リーマンショック以来である。

日銀は金融政策の最高意思決定会議である金融政策決定会合を29~30日に開いて、短期金利をマイナス0.1%、長期金利をゼロ%程度とする長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)付き量的・質的金融緩和政策の現状維持を賛成多数で決定した。

Next: 閑散としていた7月相場を振り返って

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