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トランプ大統領に翻弄される日本市場、15年で一番の夏枯れ相場はどう動くのか?=山崎和邦

15年間で売買代金最少だった7月相場の内容

7月は東証一部の月間売買高が7月としては過去15年間の最小となった。本稿で毎回、売買代金2兆円未満の日が何日続いたとか何度も述べたが、「7月いっぱいとしての15年間で最少」の意味は、数々の大きなリスクと膨大なカネ余りに挟まれたボックス相場のゆえであり、このボックス相場も『GPIF』と『日銀』が値動きの幅を狭くする作用をしているからでもある。

GPIFは日本株約9割を指数連動型で運用するから、資産運用配分比率を維持するために株が下がれば買い、上がれば売る。一方、日銀は相場の下落時に買いを入れる。午前中にTOPIXが下がれば午後に日銀が買う。よって値幅がこの両者によって抑制される。

昨年は一日3兆円超の日が43日間あった。年間の売買代金は641兆円だったから、小泉政権時代の「郵政改革相場」で2.5倍になった大相場以来11年ぶりの売買高だった。この昨年1年の売買代金の多さはアベノミクス大相場の、本稿で言う「老年期相場」の最終面であったことにふさわしい。「老年期相場」というのは所謂「老いらくの恋」であり、「夢よ、もう一度」であり、戦争がなかった平成という年号の最終年でもあった。

戦争がない時代が長く続くと乱を好む者が出てくる。江戸時代がそうだった。(由井正雪の乱、大塩平八郎の乱、主君の仇討ちを名目とした反体制の四十七士の行動、黒田騒動、伊達騒動等々)。

ましてや、米FRBの10年ぶりの利下げを7月末に控え、様子見気分が市場に満ち、同時にFRB期待、ECB期待という中央銀行の動きに期待するという奇妙な相場付きになり、大手ヘッジファンドは9月決算の前の「45日前」で売り注文を出しながら手を引いていった。

企業の自社株買いは投資魅力を高めるとして歓迎すべきこととされているが、一方市場に出回る株数が減り流動性が下がりやすくなる側面を持つ。

かつて相場変動の主役だったヘッジファンドは18年度の苦戦に懲りて消極化した。18年度の運用不振で資金が流出したとも見られる。本稿で「2兆円未満」にこだわって何度も述べてきたような「薄商い」が常態化しつつある。

ましてや別の項目に述べたように、長いレンジ相場の特徴として25日・75日・200日線というような幾本ものチャートが接近したり、「ダマシの交差」をしたりしている時は個人投資家も手を引きがちになろう。当面、一定範囲のレンジ相場、本稿で言うところのボックス相場が続くと見られていた。(しかしボックス相場というのはいくら長く続いてもこれは仮の姿であって、上下いずれかに大きく動かねばならない運命にある)。

日経平均の7月の月中値幅は2年ぶりの狭さとなった。FOMCの金融政策の発表を控えて投資家の様子見ムードが高まって方向感を喪失した月であった。

Next: FRB10年半ぶりの利下げは、どのように評価されるのか

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