第2のレアメタル「個人情報」に群がる日本企業たち
情報の概念を覆すビッグデータの登場とAIの発達で、現代はあらゆる情報が利用され、これまでになかった新しいものが次々と生み出される時代になっています。
個人情報は第2のレアメタルともいわれ、金鉱脈が発見されたゴールドラッシュの到来と期待されています。情報銀行には、銀行はもちろん広告業界、マーケティング業界、スタートアップ企業が次々と参入しています。
そんななかで、電通の暴走ともいえる動きに対して、銀行やクレジットカード業界、それに、旗振り役の政府も困惑しているといった声も聞こえてきます。
なぜ400社にものぼる大企業が一斉にこの分野に参入しようとしているのでしょうか。やはり考えられるのは、情報銀行を傘下に抱え総合情報産業になることが、今後の企業の生き残りに不可欠だと判断しているからではないでしょうか。
いわば情報の新しいプラットフォーマーになることで、決済事業は手に入りさまざまなデータ処理の能力がアップしますから、あらゆる面で日本のリーディングカンパニーになる可能性が生まれます。
その魅力には誰も抗えません。
待っているのは格差社会の果てのディストピア
問題は、置いてきぼりになる消費者であり、情報提供者です。
私にいわせれば、情報提供の見返りとして、現状の粗品代程度の報酬、見返りではまったく割があいません。各情報銀行のストックオプションを情報提供者に与えるくらいの思い切った措置をとらないかぎり、情報を提供し、その利用を許可する人などほとんどいないでしょう。
そして、何より問題なのは、個人情報が流出したり、悪用されることが本当にないのか、ということです。
仮に管理が万全であったとしても、情報提供者の同意無視、情報提供者への報酬なし、情報の使い捨てが行われるなら、情報銀行の前途は暗いといえます。
サブプライム・ローンに起因するリーマン・ショック、リクナビ事件の教訓は果たして生かされているのでしょうか。
そして、個人情報の収集・集積に欠かせないキャッシュレス社会の行方は今後どうなるのでしょうか。資本を持つ人だけが儲かり、庶民は収奪されるだけ、それで本当にいいのでしょうか、現状に満足しているだけでいいのでしょうか。
日本もヨーロッパ型の規制を敷いて個人の権利を守るべきです。いまのままではユートピアならぬディストピアが待っているだけではないでしょうか。
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- 電通が目論む「情報銀行」構想の衝撃!キャッシュレス社会の果てのデストピアがやってくる(9/1)
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『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』(2019年9月1日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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世の中すっかりカード社会になりましたが、知っているようで知らないのがクレジットカードの世界。とくにゴールドカードやプラチナカードなどの情報はベールに包まれたままですから、なかなかリーチできません。また、最近は電子マネーや共通ポイントも勢いがあり、それらが複雑に絡み合いますから、こちらの知識も必要になってきました。私は30年にわたってクレジットカードの動向をウォッチしてきました。その体験と知識を総動員して、このメルマガで読者の疑問、質問に答えていこうと思います。ポイントの三重取り、プラチナカード入会の近道、いま一番旬のカードを教えて、などカードに関する疑問にできるだけお答えします。