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最低賃金、全国平均901円へ。上げても埋まらぬ「日本の格差」は大きく7つある=鈴木傾城

中央最低賃金審議会は31日、今年度の最低賃金引き上げ額の目安を27円とすることを決定。全国平均は901円となり、東京・神奈川では初の1,000円台に到達することになりました。このニュースを受け、人気作家・ブロガーの鈴木傾城さんは「最低賃金が1,000円になっても格差は解消しない」として、日本に存在する解決困難な「大きな7つの格差」について解説しています。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

格差はある。自分が克服しようと動かない限り、状況は変わらない

最低賃金を上げるのは良策?愚策?

政治家は「格差解消のために最低賃金を1,000円にする」と言っているのだが、最低賃金が1,000円になったら本当に格差が解消するのか。

仮に最低賃金が1,000円になったとする。8時間労働で8,000円。月20日労働で16万円。1年12ヶ月で192万円。

最低賃金が1,000円になっても年収は192万円である。国税庁が出している民間事業の実態では、日本で最も人数が多いのが年収300万円から400万円。その次が年収200万円から300万円だから、時給1,000円の年収192万円ではボリュームゾーンにも至らない。

しかし、現在は全国平均で874円になっている最低賃金を1,000円に引き上げると逆に危険なことになってしまうのではないかと懸念する声も大きい(※編注:7月31日、厚生労働相の諮問機関である中央最低賃金審議会は、2019年度の最低賃金引き上げ額目安を27円とすることを決定。目安通りに時給が上がれば、全国平均は901円となります)。

時給1,000円が払えない中小企業は、倒産したり、廃業したり、雇うのをやめたりして、最低賃金で働く貧困層がより厳しい環境になるのではないかというのである。

一方で、最低賃金が上がろうが下がろうが、年収1,000万円超えの人間はまったく影響がない

「貧困層が増えた」「政治家は格差問題を解決せよ」と日夜叫んでいる新聞記者の年収は1,000万円を超えているのはよく知られている。NHKの職員も1,000万円超えの年収である。

このNHK職員の年収は、貧困層から有無を言わせず受信料を巻き上げることによって成り立っている。

日本には「大きな7つの格差」が存在する

政治家や活動家や批評家は簡単に「格差解消を」「格差撲滅を」と言うのだが、実際問題として資本主義の世界から格差を撲滅するのは並大抵のことではない。

そもそも、ひとことで「格差」と言うが、その格差はそれぞれ問題の違う格差があってそれらが複雑に絡み合って構成されているからだ。社会を俯瞰してみると、日本には「大きな7つの格差」が存在している。

大きな7つの格差とは、どんなものなのか。1つずつ解説していく。

日本の格差その1:資本の格差

当たり前だが、人間は生まれながらにして平等ではない。豊かな家に生まれる子どももいれば、貧しい家に生まれる子どももいる。

豊かな家に生まれた子どもたちは、豊かな親の資本を継承する。貧しい家に生まれた子どもたちは、すべてが不足した中で生きることを強いられる。最初から資本を持っている人間と、最初から何も持たないで社会に放り出される人間は、スタート時点から何もかも違っているのである。

資本主義の中では多額の資金を持った人間は、最初から担保能力があって資金繰りに有利であり、さらに多額の資金から得られる配当もまた多い。

仮に最初から1億円を持っている人間は、それを3%で運用できたらそれだけで生涯に渡って300万円が何もしなくても転がり込む環境で生きられる。つまり、最低賃金で働いている人の年収以上のものが何もしなくても手に入る。

資本は大きければ大きいほど得られるものも大きい。最初から資本を持っている人間はスタートから恵まれているのである。そして、この格差は時間が経てば経つほど広がっていく

Next: 高卒と大卒の生涯賃金差は?日本に蔓延する埋められない格差

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