愚直に一物二価対応をする店舗と、価格据え置きする店舗に「二極化」
こうした価格政策は、企業によって本当にまちまちな状態です。
店内飲食と持ち帰りを同一価格にしているのは日本マクドナルドで、7割近い商品は価格を据え置いていますから、事実上2%増税分は自社で吸収しており、単価の安いものだけ10円程度値上げをすることでしのぐ形になっています。
一方、愚直に店内10%、持ち帰り8%を実施するのはスターバックス、ケンタッキーフライドチキン、モスバーガーなどで、店員が顧客の意向を確認できるところは当初の想定どおりの一物二価で運用することがわかっています。
まあマニアックな消費者ならどこの店のどれは持ち帰りがお得、いや店内飲食がお得という取り組み表でも作って利用することになるのかも知れません。
しかし早い話が、「今回の増税で値上げしなかったお店に行こう」と判断する消費者が増えそうで、実際に増税がはじまってからの各事業者の売上状況に変化が出るのかどうかに注目が集まります。
軽減税率と関係ない業態でも「価格据え置きで増税分コスト吸収」の店が増加
販売の現場は顧客の意識にかなり敏感なようで、10月の増税以降も販売価格を据え置くかたちで、増税分を実質的に値下げすることで客離れを防ごうとする小売業態が多くなっていることがわかります。
無印良品でおなじみの良品計画や、最近カジュアル商品で売り上げを伸ばすワークマンは、自社のプライベートブランドの価格を据え置きとしている状況です。
ここに挙げたのはほんの一部ということになるわけですが、10月以降、外食関連の店はまさかの値下げで迎え撃つという兵(つわもの)も現れており、結果的に物価を押し下げてデフレに逆戻りから、さらにそれを加速させかねない妙な雰囲気を醸成しはじめているようです。