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株価10倍を達成した丸和運輸機関の「二匹目のドジョウ」となりうる運送関連銘柄とは?=栫井駿介

丸和運輸機関の利益へのこだわり

遠州トラックと丸和運輸機関のもう一つの違いは、丸和運輸機関の利益へのこだわりです。

丸和運輸機関は、3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)事業に特化しています。これは、顧客企業の物流の改善を積極的に提案し、その運営を自ら担うことです。なかでも、低温食品物流などの得意分野に資源を集中しています。

【参考】大化け株は地味な業種から生まれる…規格外の利益率をたたき出すハマキョウレックス=栫井駿介

3PLは、企業のアウトソーシングニーズの高まりで市場が拡大しています。運送会社自ら付加価値を提供できるので利益率が高く、さらには一度契約すると滅多なことでは解約できないという「経済の堀」の側面も持っているのです。

遠州トラックももちろん3PLも行っているのですが、丸和運輸機関ほど徹底してはいません

その結果、営業利益率は遠州トラックが5.6%、丸和運輸機関が6.8%という差になって現れています。長期で見ればこの差が将来的な成長性の差につながってくるのです。

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いいものは高い。大切なのは「妙味」を見出すこと

それでは、この2社だったら丸和運輸機関に投資したら良いかと言うと、そう簡単ではありません。

両社のPERを比較すると、遠州トラックは12倍、丸和運輸機関は38倍です。いくら成長性があると言っても、PER38倍の銘柄にはなかなか手が出ません。

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そうなると、リスクがあるとは言え当面の成長が期待される遠州トラックのPER12倍というのは妙味があるように見えます。ここ最近上昇しているのもそれが要因と言えるでしょう。

運送業界はいくらインターネットが発達してもなくなることはなく、むしろ通販でまだまだ拡大する業界です。今後の動きから目が離せません。


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image by: 遠州トラック株式会社 公式サイト

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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2019年10月11日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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