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日本株の高値を買った海外勢はこの後どう動く?この先の日米の株価を左右する背景=江守哲

VIX先物ショートが積み上がり、過去最大水準を更新

このような状況ですので、VIX先物の投機筋のポジションは21万8,362枚の売り越しになりました。前週の20万6,157枚からさらにショートが積み上がり、過去最大水準を更新しました。投機筋の楽観度合いがわかります。

しかし、株価が一転して下げに転じたとき、一気にVIX先物に買い戻しが入ることになります。VIXが上昇すれば、オプションのボラティリティが上昇します。オプションのショート筋のヘッジが一気に入ってきます。特に、プットオプションをショートしている連中は最悪の事態に陥ります。

先物でヘッジをする場合には、市場に大量の売りオーダーが機械的に入ってくることになります。無論、これが株価を速くかつ大きく下げさせる原動力になります。時限爆弾はすでにセットされていると考えておくべきでしょう。

現在の米国株は18年の世界同時株安から回復し、いまだ過去最高値付近で推移しています。昨年の株安の原因はFRBによる引き締めですが、いまはそれが停止され、利下げが3回実施されました。その結果、株価は回復しました。しかし、依然として警戒すべきとの見方は変わりません。

ラッセル2000が上がっていないという事実は気になります。これは、物色が広がっていないことを意味します。主要な指数だけが上昇し、他の銘柄が上がっていないことは、株価の持続的な上昇は想定しづらいといえます。上海総合指数の新興国市場も、世界の株価指数に対して大きく劣後しており、同じ状況といえます。このように、表面上は株高に見えても、実際に上がっているのは先進国の一部の銘柄だけということです。

また、期待インフレ率についても、金融政策に問題がなく、政治問題が解決し、世界経済に悲観的な要素がないという見通しがあれば、経済成長率は高まり、インフレ率は上昇するはずですが、市場での期待感は全く高まっていないようです。それを示しているのが、期待インフレ率の低迷です。

現在の期待インフレ率は、世界同時株安の水準を下回っています。もちろん、期待インフレ率の低下がすぐに株安につながるわけではありません。期待インフレ率が低下しても、株高だった時期は過去に存在しています。しかし、実態として指摘しておく必要があることは、主要株価指数が上昇している以外に市場にポジティブな材料はないという事実です。

米中貿易戦争が解決すれば上昇するとの見方がありますが、すでに織り込まれてしまっています。したがって、合意すればむしろ株価は暴落するかもしれません。英国のEU離脱も材料視される可能性がありますが、意外にこの材料が株価調整のきっかけになる可能性もあるでしょう。12月15日には対中制裁関税第4弾の発動が控えています。12月に入ると、市場はこれまで以上に神経質になりそうです。12日前後はかなりきな臭い動きになりそうです。

繰り返すように、過去平均のPERの水準に下げるだけで、S&P500は2,700ポイントまで下げる計算になります。前期位は減益で、さらに今期も減益予想になる可能性があります。そうなると計算上は株価が上がるのはおかしいということになります。いずれにしても、平均でみれば、S&P500は2,700ポイントが適正レベルです。いまの株価がいかに高すぎるかがわかるでしょう。

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