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日本株の高値を買った海外勢はこの後どう動く?この先の日米の株価を左右する背景=江守哲

好調続く米国株とともに、日本株も高値圏を維持しています。この状況は、いつまで続くのでしょうか?現状と今後の株価を取り巻く経済状況をみていきます。(江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて

本記事は『江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて』2019年11月25日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方はぜひこの機会に、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:江守哲(えもり てつ)
エモリキャピタルマネジメント株式会社代表取締役。慶應義塾大学商学部卒業。住友商事、英国住友商事(ロンドン駐在)、外資系企業、三井物産子会社、投資顧問などを経て会社設立。「日本で最初のコモディティ・ストラテジスト」。商社・外資系企業時代は30カ国を訪問し、ビジネスを展開。投資顧問でヘッジファンド運用を行ったあと、会社設立。現在は株式・為替・コモディティにて資金運用を行う一方、メルマガを通じた投資情報・運用戦略の発信、セミナー講師、テレビ出演、各種寄稿などを行っている。

まずは現在の株高基調の継続の背景を理解することが大切

米中通商交渉の進展に期待して、市場は強気な姿勢へ

米国株は高値を維持しています。

市場は引き続き、米中通商交渉の進展への期待を背景に強気な姿勢を示しているようです。

中国の習近平国家主席は22日、米中協議「第1段階」について「相互尊重と平等を原則に合意に努めたい」とし、合意文書の署名に前向きな姿勢と報じられました。また、トランプ大統領も第1段階の最終合意が「非常に近い」との認識を表明。停滞感が強まっている米中協議への投資家の過度な警戒感が後退しました。

12月15日の対中制裁関税「第4弾」の発動期限が迫る中、米中両首脳は神経戦を繰り広げているといえます。

通商専門家や米ホワイトハウスに近い関係者は、米中貿易協議「第1段階」合意に関する最終決着が来年にずれ込む可能性があるとしています。中国はより広い関税撤回を求めており、これに対してトランプ政権は米国側の要求を高めているといます。香港のデモの取り締まりも貿易協議を複雑化させる可能性があります。

トランプ政権は、米商務省が5月に導入したファーウェイに対する輸出禁止措置を一部緩和しました。取引再開を求める企業から約290件の許可申請が寄せられ、このうち安全保障上の脅威がないと判断した取引に限って認めると通知しました。

しかし、先行きは不透明です。米政権・議会は中国政府のスパイ活動への関与を疑い、ファーウェイに対する締め付けを強めています。一方で、20日には、米商務省が申請を許可するか否かの回答が各企業宛に届き始めたようです。

一方、トランプ大統領は20日、中国から輸入するアップル製品や関連部品について、制裁関税の適用除外品目を拡大することを検討すると明らかにしました。テキサス州の同社工場を視察後、記者団に明らかにしました。アップルのクックCEOは、中国で製造した「アップルウオッチ」や「iPhone」部品などの関税免除を要請しています。

米国はスマートフォンの保守などをめぐる米企業とファーウェイの取引を猶予する一方、同社に対する禁輸措置を続ける方針は変えていません。

ファーウェイの梁華会長は、ファーウェイ製の通信機器に情報を抜き取る「バックドア」が設けられているとの米政府の懸念に対して、「事実に基づかない指摘だ。世界170カ国で事業展開しているが、各地で法を守っている」と反論していました。

梁会長は「通信機器を動かすのは各地の通信事業者のため、ファーウェイがデータを取得することはできない」と強調しました。一方、米国が同社に対する輸出禁止措置を一部緩和したことについては、歓迎する意向を示しました。梁会長は、安全保障上のリスクを理由に同社製品排除を図る米国の動きなどを踏まえ、「19年は大きな外部環境という圧力に面した」と振り返る一方、「自由貿易と経済のグローバル化は不可逆の流れだ。今後も技術革新を続ける」としています。

Next: トランプ大統領が考える、5G時代の中国への対抗策

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