日本株も高値圏を維持
日経平均株価も高値を維持しています。
今後の焦点は、11月8日につけたザラ場高値の2万3,591円(編集注:11月26日にザラバ高は2万3,608円を付けました)を超えるかに向かうのでしょう。
週明けの市場は、香港の選挙結果を受けて上昇で始まっています。今週も楽観的な見方が広がりそうです。今週は11月の最終売買日を含む週であり、この週は高くなりやすい「特異週」とされており、強気な見方が多くなりそうです。
したがって、直近高値を超えるのか、それともダブルトップを付けて下げに転じるのか、このあたりが焦点になりそうです。米中通商協議の「第1段階」の合意が来年にずれ込む可能性が出てきたことがどの程度材料視されるかもポイントでしょう。ただし、香港情勢の改善が楽観的な見方につながりそうです。
11月の最終売買日を含む週は2000年以降、下げたことが1度しかありません。今回は29日がその日に相当しますので、今週がまさに「上昇の特異週」となります。この週は米感謝祭への期待が高まるだけではなく、中間期末の配当金が株式に再投資される時期と重なり、需給の改善が見込まれる時期であり、これが上昇の背景にあるとみられています。
ただし、今年は12月2日が最大の支払金額になるもようであり、高値を付けるのが少し遅れる可能性もありそうです。この点を念頭に置きながら見ていきたいところです。
ここまで大きく水準を戻した日本株ですが、その背景が海外勢の買い戻しであることは明白です。海外勢は11月15日の週までの7週間で日本株を買い続けました。7週間の累計買い越し金額は1兆7,994億円となっています。
ちなみに、7週連続の買いの最初の週は、現物を1,149億円買い越した一方で、先物は5,086億円の売り越しとなっています。この週の日経平均は週間ベースで468円の下落となっていました。つまり、海外勢が現物を買っていても、先物を売ればやはり下げるということです。
一方、その後の6週間で現物・先物を累計でそれぞれ1兆6845億円、1兆5171億円買い越しています。両者の買い越し額は合計3兆2,016億円となっており、これはやはりインパクトがあったといえます。それは、この間に日経平均株価は1,893円も上昇したことからもうかがえます。
このように、海外勢は6週間で3兆2,016億円の買い越しとなったわけですが、週間ベースでは平均5,000億円を超える買い越しになったことになります。これはやはりインパクトがあるといえます。
しかし、今後もこのような買いが続くかは不透明です。日本株を買い越し続けるだけの材料があるのか、という点が不確かだからです。過去に海外勢が買い越しの勢いを増した際には、例えば日銀のETFの年間購入額を3兆円から6兆円に増額するといった、相応にインパクトのある材料が飛び出した時ぐらいです。
Next: 日本株の値動きにまつわる今後の見通しとは?