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日本株の高値を買った海外勢はこの後どう動く?この先の日米の株価を左右する背景=江守哲

これから日本に起こるかもしれない激震に細心の注意を

さて、市場では製造業の回復期待から、日本株が上昇しているとの見方があります。世界的にも製造業の底打ちが指摘されています。このような見方が増えると、株価が上昇しやすいのですが、日本の実態はまだ悪いようです。

10月の工作機械受注総額(確報値)は前年同月比37.4%減の874億5,000万円となり、13カ月連続で前年同月を下回っっています。米中対立の長期化への懸念から企業は設備投資に慎重な姿勢を続けています。10月としては10年の802億3,000万円以来、9年ぶりの低水準とでした。

外需は米中貿易摩擦に加え、英国のEU離脱の不透明感が影響し、34.1%減の540億3,000万円です。内需は消費税増税などで42.0%減の334億2,000万円に落ち込みました。特に自動車向けは先行きが見通しにくくなっているもようで、来春ごろまで低調な受注状況が続く見通しです。

このデータは悪化傾向が続いており、かなり厳しい状況です。

10月の全国消費者物価指数は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が前年同月比0.4%上昇しました。プラスは34カ月連続です。10月の消費税増税による外食などの値上がりが全体を押し上げた一方、景気減速への不安もあり物価の勢いは鈍いといえます。総務省の試算では、増税の影響を除いた消費者物価の上昇率は0.2%のプラスにとどまります。

しかし、いつものように、内閣府の見方はあまりに楽観的過ぎで、全く当てにならないように思います。

消費マインドは低いものの、9月の駆け込み需要の反動で10月に落ち込んだ家電販売が改善していることや、スーパーなどでは軽減税率の導入により販売が前年並みの水準を維持していることから、内閣府は「増税の影響は2カ月程度で収まりつつある」とみているようです。

一方、世界経済については、「全体として緩やかに回復している」としつつ、米中対立長期化の影響などにより「そのテンポは鈍化している」との表現を追加し、判断を下方修正しました。これは妥当でしょう。地域別では、中国で「製造業を中心に一段と弱い動きがみられ、緩やかな減速が続いている」と下方修正しました。ドイツ経済についても、従来の「足踏み」から「弱含んでいる」に引き下げています。

10月の訪日外国人客数は、前年同月比5.5%減の249万人でした。韓国からの旅行者は前年比65.5%減の19万7,300人で、9月からさらに減少幅が拡大しました。このような動きは、これまで日本の景気を支えてきた一部の要因が剥落することになります。厳しさを示す材料といえます。

これから日本に起きる「激震」には細心の注意しておきたいところです。

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本記事は『江守哲の「投資の哲人」~ヘッジファンド投資戦略のすべて』2019年11月25日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方は、バックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した米国市場金、原油各市場の詳細な分析もすぐ読めます。

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