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会計ソフトのSaaSビジネスを展開するfreeeが新規上場を発表、今後の成長の可能性は?=シバタナオキ

SaaSスタートアップは希薄化しやすいと言うけれど…

SaaSビジネスは一般的に大量の資金調達が必要で、株式の希薄化(資金調達のために新たな株主から資金を調達することで発行株式数が増加し、1株の価値や権利が低下すること)が起こりやすいビジネスではありますが、freeeの場合はどうなっているのかを見てきたいと思います。

出典:同前

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この株主名簿を見ると、上位にベンチャーキャピタルがたくさん並んでいることがお分かりいただけるかと思います。創業者社長の佐々木氏の持分は25%弱にとどまっています。

出典:同前

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発行済の株式数合計の約1,370万株に対して、創業者や従業員が保有する普通株式が600万株なので約45%程度が創業者と従業員、残りの約55%にあたるA~Eの優先株式をベンチャーキャピタルなどの外部投資家が保有していると考えて間違いないでしょう。

個人的な印象ですが、これまで多額の資金調達をしている割には希薄化が抑えられていて、普通株の割合が相当大きいなあというのが正直な感想です。

創業社長の持分は前述の通り25%と少ないように見えるかもしれませんが、その分他の取締役や従業員などにしっかりと株式が付与されているとも言えるのではないでしょうか。

中小企業向けSaaSという巨大な市場

出典:同前

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freeeが提供しているのは中小企業向けの会計ソフトと人事労務ソフトで、市場規模は1.1兆円もあります。

加えてこの図の下部に記載されている通り、日本は今後生産年齢人口の減少と最低賃金の上昇など、マクロ環境の追い風が吹いていることもプラスなのではないでしょうか。

これからは各種ソフトウェアを上手に利用することで、各社共に間接的な人件費の削減を積極的に行っていくことは自明です。

出典:同前

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さらに日本は特に先進国の中でもクラウド化の進展が遅いとされています。そういった意味でも成長ポテンシャルがまだまだ大きいといえるのが、この中小企業向けのSaaS市場だと言えるでしょう。

Next: ベンチャー企業らしい、ユニークな項目に注目

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