ファンダメンタルズを支えてきた業績が一服
上図から理論株価、すなわちファンダメンタルズは安定した上昇基調を続けていますが、下図はその実態を見るグラフです。理論株価の構成要素である日経平均ベースの予想利益(以下予想EPS)と米ドルレートの推移を示します。
紺色の線が予想EPS、赤線が米ドルレートです。各指標名の枠内に期初と直近期の値を記します。
米ドルは期初の111円台から直近の108円台まで緩やかなドル安・円高で推移しているのに対して、予想EPSは期初の148円から近時の高値で219円まで48%の大幅な増加となりました。その後、業績予想は11月からの下方修正に伴って直近時で204円まで7%下落しています。この間のファンダメンタルズの堅調な上昇と11月以降の低下は業績によって主導されたことが分かります。
こうした2つの要因の合成としてのファンダメンタルズが穏やかな上昇基調を維持してきた一方で株式相場が乱高下したのは市場リスクの変動によってもたらされたことになります。この市場リスクの大きさはこれまで明確な形(数値)では捉えられることがなかったため、当講座は市場リスクの大きさを「偏差値」という指標で規準化した指数、「リスク回避指数」(*)を開発、公表しています。以下で当指数によって市場リスクの変動の実態を見ていきます。