リスクオフを脱し、通常リスク領域の下端に迫る株式市場
株式相場は基本的に長期的にはファンダメンタルズに見合う水準に落ち着きます。これは上の図で日経平均が理論株価を挟んで上下に変動するものの、やがては理論株価に収れんすることで示されます。
しかし、時に相場がファンダメンタルズでは説明できない程大幅にかい離することがあります。相場が極端にファンダメンタルズを上回る場合は投資家がこぞって強気になりリスク資産を取りにいく(株式を買う)状態ということで「リスクオン」、逆に相場がファンダメンタルズを極端に下回る時は投資家がそろって弱気になってリスクを回避する、つまりリスク資産から逃避する(株式を売る)状態ということで「リスクオフ」と言います。「リスク回避指数」はこのリスクオンとリスクオフの状態を数値的に示す指標です。
下図はリスク回避指数の推移を示します。ここでも上図と同様に指標名の枠内に期初と直近期の値を載せています。
上図から市場リスクの水準は2017年5月初めと直近の2019年11月22日時点で41点~42点台で、ちょうど“行って来い”となっています。ただし、この間の市場リスクの変動は非常に大きく、2018年1月には20点台の「極端なリスクオン」の状態に接しています。株式相場はファンダメンタルズを大きく上回って上昇し、日経平均は変動の上限を超えています。
一方、同年12月には80点の「極端なリスクオフ」を超える領域に達しました。ここで、日経平均は変動の下限を下回っています。ちなみにこの時の同指数の水準は過去にない初めての高いレベルとなります。
市場リスクは2019年に入り徐々に低下し、10月に通常リスクの範囲に戻った後そのまま通常リスクの下端となる40点近辺にまで達しています。この水準で一服すれば通常のリスク状態に収まります。
市場リスクが通常状態にあれば株式相場はファンダメンタルズに沿った水準に落ち着くものと見られます。すなわち、日経平均は理論株価に向かって行くものと見られます。直近の理論株価は2万2,200円台となっています。
※本記事は有料メルマガ『資産運用のブティック街』2019年11月26日号を一部抜粋・再構成したものです。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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『資産運用のブティック街』(2019年11月26日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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