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注目の大型IPOフリーをはじめ、今年は55社中15社が赤字上場している背景とは?=柴山政行

なんと、今年の上場企業のうち17%にあたる15社が最終赤字

上場初年度の業績予想が28億円の営業赤字となっています。

新聞によりますと、日本で今年上場する86社のうち、17%にあたる15社が最終赤字だったそうです。

赤字で上場するケースは年々増加傾向にあり、過去10年間で最も高い水準となっています。

赤字上場が増えている背景として、企業や投資家が目先の利益よりも将来の事業拡大を見込んで先行投資する姿勢を強めている状況があります。

昨今のカネ余りも先行投資を後押しする結果に繋がっているという見方もできます。

これは私の個人的な見方なのですが、株式投資の対象になる企業の属性を(1)成熟型(2)成長型(3)ベンチャー型の3つに分けて考えるとわかりやすいと思います。

伝統的なファンダメンタルズがもっとも有効なのが成熟企業です。財務分析や企業分析を行ってあるべき企業価値を推算し、それよりも現実の株価が大幅に割安と思ったら仕込んで、株価が戻るとかさらに上がったら利益が出る、というシナリオがひとつ、思い浮かびます。

トヨタとか日立とか、三菱とか三井とか、過去の業績の延長で未来を考えやすい老舗の会社ですね。

こういった銘柄は、おそらく5~10億円単位とか、かなり多額の資産をお持ちの方が手堅く運用することで、もともとの分母が大きいためにそれでも良い収益が手に入るのかな~という感じです。

年7~8%以上の高成長を継続して見込めるなら、成長企業かな、というイメージですね。

ここは短期間で2倍とか3倍とか、上手く弾けると10倍以上の株価もまれには期待できそうです。成長期のヤフーとかファーストリテイリングなどは、これに当てはまっていたと思います。

3つ目はベンチャー系で、当社は赤字がガンガン出ていても、斬新さと将来の大化けキャッシュを狙って勝負!みたいな感じでしょうか。今回のテーマとなっているフリーは3つ目の類型として考えることができます。

今の日本の閉塞感を打破するために、元気な企業がドンドン出てきて欲しいですね!

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image by : kenary820 / Shutterstock.com

時事問題で楽しくマスター!使える会計知識』(2019年12月17日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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