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コロナバブル終焉は7月?給付金を株に突っ込んだ米国失業者たちが逃げ惑う=今市太郎

ミレニアル世代個人投資家の買い上げが終焉する段階が相場のピークアウトか

すでに当メルマガでもご紹介していますが、足元の米株の大幅上昇は、失業などで一時的に給付金が支給されて、既存の月収よりも手取り金額が増えてしまった米国のミレニアル世代(1980年代後半から2000年代初頭に生まれた、2000年代以降に成人あるいは社会人になる世代)が、その資金を株式市場に突っ込んだことに起因していることは厳然たる事実です。

実際、所得統計を見ても、4月以降の給付金支給から所得が増えている層はかなり出現しているようです。

彼らはそれをロビンフッド、イー・トレード、シュワブといった取引手数料のかからないオンライントレード口座を通じて「FANG+マイクロソフト」などに集中投資している様子。

こうした米国個人投資家の売買熱は今も冷めやらぬ状態が続いており、11日の大暴落がおきてもこの手の優良銘柄の下げはさほど大きなものではないことから、アクセスができないという異常事態も連日発生している状況です。

しかし、ここにも大きな落とし穴があります。

給付金の支給が7月に終了する段階で、多くの個人投資家は株式市場から資金を引き揚げる可能性が指摘され始めている状況です。

もちろん儲けが出れば利確して引き出すでしょうし、資金が続かなければこれ以上買い上げることはなくなり、相場はピークを迎える可能性がかなり高くなるわけです。

これまでにも個人投資家が相場を持ち上げるといった状況は何度か見られたものですが、残念ながら、長期間の持続力がないのが特徴。

相場が下落しはじめるとパニック売りになることから、逆に最終局面では大きく値を下げることに寄与してしまうことがある点にも注意が必要です。

世界の財政支出は1,000兆円超だが、景気浮揚につながるかどうかは不明

IMFは世界の新型コロナに対応した財政支出が1,070兆円に上り、今後もコロナ感染が続けば、さらなる上乗せが必要になるといった見方をしています。

こうした財政支出は当初はほとんどが休業補償や所得補償などに使われることから、もちろん景気を下支えする重要な材料にはなります。しかし、必ずしも景気を持ち上げる要素になるかどうかは別問題です。

事実、1929年からの世界大恐慌を受けてルーズベルトが実施した「ニューディール政策」でも巨額の財政出動が施されたのは有名な話ですが、その後、急激に景気が回復することはなく、株価も暴落の起点からなんと90%近く下落することになりました。

中央銀行の緩和措置を含めれば、債券買い入れなどは財政出動と合計すれば少なくとも計15兆ドル(1600兆円強)になるわけですから、政策実施の初動で株価が戻るのは当たり前の話。

その賞味期限は1929年の暴落時でもせいぜい5か月ですから、今回のようにスピードの速い暴落と回復のプロセスでは、再下落まで5か月を待たない可能性は十分にありそうな状況となってきています。

マクロ的には凄い数字の投入ですから、株価もすぐに戻ると見るのは簡単です。

しかし、初動の戻りから先について、この動きが継続するのかどうかはまったく不明であり、過去のケースはそうした楽観的状況をまったく示唆していない点も気になるところです。

Next: 今回の新型コロナ起因の経済の壊滅的な下落は、実態経済にいきなり影響を――

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