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ガンホー株主総会レポート~脱パズドラ課題「なぜこんなに株価が低い?」質問も=平林亮子

続く国内・パズドラ頼み。海外の売上割合は「10%に満たない」

とはいえ、ガンホーを取り巻く状況は、甘くはありません。株主総会の冒頭で、業績等についてナレーション付きの動画により説明がありました。その中でパズドラ以外のゲームのダウンロード数なども報告されていましたが、今でも売上の88.6%をパズドラ関連でまかなっているのが現実です。

平成26年のパズドラ関連売上は、158,320百万円で売上の91.5%を占めていました。パズドラ以外の売上が14,749百万円。

平成27年は、パズドラ関連売上は、136,779百万円で売上の88.6%を占めています。パズドラ以外は、17,550百万円。

パズドラ以外が2,801百万円増加しているとはいえ、パズドラの売上減少分をまかなえるほどではありません。

海外の売上割合はどのくらい?」という株主からの質問に対し、「10%に満たない」と森下社長。

北米版のパズドラが900万ダウンロードを突破したとの報告がなされたものの、それが売上に結び付くとは限らないということがよくわかります。今後は「海外で過半数以上を目指す」と森下社長。北米でもCMを打つなど、積極的に動いているようです。

iPhoneゲーム売り上げランキング(日本・米国・中国)

ちなみに、Appgraphyによれば、日本における執筆日のiPhoneゲーム売上ランキングは以下の通り(カッコ内はゲーム提供企業)。

1位 モンスターストライク(ミクシィ)
2位 パズル&ドラゴンズ(ガンホーオンラインエンターテイメント)
3位 ディズニー ツムツム(LINE)
4位 アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ(バンダイナムコ)
5位 実況パワフルプロ野球(コナミ)
6位 グランブルーファンタジー(Cygames)
7位 白猫プロジェクト(コロプラ)
8位 Fate/Grand Order(Aniplex)
9位 ドラゴンボールZ ドッカンバトル(バンダイナムコ)
10位 星のドラゴンクエスト(スクエアエニックス)

パズドラは、日本ではまだまだ、人気コンテンツであり、稼ぎ頭であることがわかります。

それに対して、アメリカのランキングは、まったく異なります。

1位 Clash Royale(Supercell)
2位 Game of War ─ Fire Age(Machine Zone)
3位 Mobile Strike(Epic War)
4位 Clash of Clans(Supercell)
5位 Candy Crush Saga(King)
6位 Candy Crush Soda Saga(King)
7位 MARVEL Contest of Champions(Kabam)
8位 MADDEN NFL Mobile(Electronic Arts)
9位 Summoners War(Com2uS Corp)
10位 Slotomania Casino – Las Vegas Free Slot Machine Games ─bet, spin & Win big(Playtika)

CandyCrushは、日本でもテレビCMを見ることがあります。8位の「MADDEN NFL」はアメフトのゲーム。さすがアメリカです。日本でアニメ系のゲームが上位に来るのに対して、違いが浮き彫りになるものですね。

ついでに、中国のランキングは以下の通り。

1位 梦幻西游-欢乐庆典 功成礼不停(网易移动游戏)
2位 王者荣耀:大魔王Faker推荐-腾讯第一5V5英雄公平对战手游(Tencent Mobile Games)
3位 龙珠激斗(Tencent Mobile Games)
4位 大话西游-十三年经典来袭 一款游戏 一生朋友(网易移动游戏)
5位 部落冲突:皇室战争(Clash Royale)(Supercell)
6位 穿越火线:枪战王者-火线大乱斗,点燃2016最强战火(Tencent Mobile Games)
7位 拳皇98终极之战OL-可以玩的格斗家故事!全新列传玩法来袭(Tencent Mobile Games)
8位 全民飞机大战(Tencent Mobile Games)
9位 火影忍者-官方正版(Tencent Mobile Games)
10位 剑与魔法-3DMMO浪漫冒险手游(chong li)

……すいません。ほとんど読めません。

なお、アメリカのランキングに出てくるSupercellは、ソフトバンクの子会社でフィンランド(ヘルシンキ)の企業。また、中国のランキングに出てくるTencentは中国の企業で、とあるレポートによれば、モバイルゲームでの売上世界一だそうです

日本で1位となっているモンスターストライクは、中国市場へと進出しましたが、ゲームに対する文化の違いからうまくいかなかったため、すでに撤退。モンスターストライクの中国進出も、かなりの期待を背負っていたのですけれど、上記ランキングを見ても、それぞれの国によって事情が異なるようですね。

一方、パズドラは、上記のTencentと共同で、中国市場向けのパズドラを1から作り直したそうです。現在、リリース時期を調整中とのことですが、中国市場での成否は、今後のガンホーの運命を左右することでしょう。

余談ですが、今回参照したAppgraphyは、株式会社インタースペースというIT企業が運営している無料情報サイトですが、アプリの分析を専門にしているApp Annieという企業も有名です。App Annieの日本法人のサイトはこちら。ゲームのみならず、アプリ全体について分析している専門企業です。

さて、ガンホーにとってパズドラは売上の90%を生み出すエースであり、それがなくなったら現在のガンホーとはまったく異なる企業になってしまうほどのリスクでもあります。明日突然、パズドラの売上がゼロになることはないにしても、エースに活躍している間に、次の柱が育つことを祈ります。

Next: 大株主に注目!森下社長「ソフトバンクからの影響はなく独立して経営している」

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