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アベクロ体制崩壊が暴落リスク。日銀、コロナ感染者急増を事前に知って株価を買い支えか=江守哲

日本の株式市場は「社会資本主義」の典型例になっている。下げれば買い支える姿勢が鮮明であり、「国策に売りなし」である。したがって、日経平均株価も2万2,000円を維持させることになるだろう。今後の最大のリスクは「アベクロ体制」の崩壊である。(『江守哲の「投資の哲人」〜ヘッジファンド投資戦略のすべて』江守哲)

本記事は『江守哲の「投資の哲人」〜ヘッジファンド投資戦略のすべて』2020年7月13日号の一部抜粋です。全文にご興味をお持ちの方はぜひこの機会に、今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:江守哲(えもり てつ)
エモリキャピタルマネジメント株式会社代表取締役。慶應義塾大学商学部卒業。住友商事、英国住友商事(ロンドン駐在)、外資系企業、三井物産子会社、投資顧問などを経て会社設立。「日本で最初のコモディティ・ストラテジスト」。商社・外資系企業時代は30カ国を訪問し、ビジネスを展開。投資顧問でヘッジファンド運用を行ったあと、会社設立。現在は株式・為替・コモディティにて資金運用を行う一方、メルマガを通じた投資情報・運用戦略の発信、セミナー講師、テレビ出演、各種寄稿などを行っている。

日銀金融政策決定会合では政策維持へ

日銀は14・15日に金融政策決定会合を開催する。新型コロナウイルスの感染拡大に対応して導入した資金繰り支援策の効果を点検するとともに、景気や金融情勢を分析する経済・物価情勢の展望(展望リポート)をまとめる。長短金利操作を軸とする大規模な金融緩和は維持する見通しである。

すべては安倍政権の意向で動くことになる。展望レポートの内容も、経済の悪化を示すものになるだろうが、それほど悪いものにはしないだろう。

日銀は3月以降、企業の資金繰り支援策を相次いで導入し、コマーシャルペーパー(CP)と社債の買い入れは上限を計約20兆円に拡大した。民間企業への融資に取り組む金融機関に無利子で貸し付ける資金供給策は、90兆円程度の総枠に対して利用額が20兆円を超えた。

4月の前回展望リポートでは、20年度の実質GDP成長率がマイナス3%〜5%となる厳しい見通しが示された。

日銀は感染収束を前提に今年後半から経済が持ち直すとの見方を変えていないが、新型コロナの打撃が全国に広がっていることから、見通しの下方修正の要否を検討するようだが、判断には早いとして現状を維持するだろう。

安倍体制の崩壊リスク

このように考えると、今後の最大のリスクは「アベクロ体制」の崩壊である。

日銀は独立して政策を行っているということはなく、すべて政府の意向をくんで動いている。安倍首相が後退し、石破氏になれば状況が一変する可能性は否定できない。

少なくとも、麻生氏も実質的な引退を迫られるだろう。鹿児島知事選で現職が負け、前知事も負けて、新人候補が勝利した。現状否定が確認された。秋の衆院選にも大きな影響が出そうである。

こうなると、消費税の問題や今の金融政策にも大きな変更が加えられるだろう。海外勢が最も嫌がる点である。秋には総選挙があるだろう。ここで安倍政権の大きな転換点を迎える可能性もある。

すでに日本の株式市場は「社会資本主義」の典型例になっている。下げれば買い支える姿勢が鮮明であり、「国策に売りなし」である。したがって、日経平均株価も2万2,000円を維持させることになるだろう。

7月末には4−6月期の企業決算が発表される。それまでに株価が下げているとその後の株価動向は厳しいものになる可能性がある。したがって、できるだけ高い位置で維持させておく必要がある。日銀に逆らって下値を売り込むことは避けるべきであろう。

もっとも、海外市場で大きな変化があり、市場が崩れだしたときには要注意である。

その場合には、日銀の買い支えは、下げのスピードを抑えることはできるが、下げそのものを止めることはできないだろう。コロナ危機での株安がその典型例である。

しかし、そうなれば、長期ポートフォリオ戦略の枠で慎重に買い下がるだけである。

Next: 騰落レシオが25日平均で80%を割った状態が続いている。個別銘柄が弱い――

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