fbpx

アベクロ体制崩壊が暴落リスク。日銀、コロナ感染者急増を事前に知って株価を買い支えか=江守哲

騰落レシオは低位

騰落レシオが25日平均で80%を割った状態が続いている。個別銘柄が弱いことを意味する。

日経平均構成銘柄で寄与度の影響が大きい銘柄だけが買われると、このような現状が起きる。もっとも、これは短期的には個別銘柄の買い材料と判断してよいだろう。ただし、計算上は13日で底打ちする可能性がある。そうなると、数値自体は徐々に上昇していくだろう。

このようなパターンは、日柄調整が起きているときによく見られる現象である。いまの水準は過去と比較してもほとんど下げていない。そのような中で騰落レシオが下げており、相場自体は強いといえる。これで個別銘柄が買われると、指数も上げやすくなる。そうなると、日経平均株価は主力銘柄以外が押し上げることになる。

いずれにしても、数値上は買いを検討してもよい水準である。少し買ってみるのも良いだろう。

その場合には、長期ポートフォリオ戦略の枠の中で行い、比較的短期間で利益を確定する方針で買うとよいだろう。80%割れは頻繁に起きるものではない。したがって、このような押し目があれば、粛々と買うことも検討すべきである。

日本株はレンジ相場の域を出ない

日経平均先物は10日のシカゴ市場で戻している。米国株の上昇につれているのだろう。10日は日銀などが保有するETFの分配金支払いに備える換金売りで下げたとすれば、短期的な需給要因という特殊な事情で下げたということになる。そうであれば、この日の下げは市場へ「本質的な」影響はなかったと判断することになる。7月限のSQ値は、ファミリーマートの上昇で押し上げられたが、その後はファーストリテイリングが寄り付き後に急落したこともあり、幻のSQになった。しかし、これはあまり気にする必要はないだろう。

それにしても、下げるかと思いきや海外市場で戻して下げ切らない状況が続いている。今の市場は下値を叩くことに意味はなさそうである。特に日経平均株価についてはそのようなことが言えそうである。

しかし、その結果、TOPIXとの乖離が拡大したままである。一部の銘柄だけで日経平均が押し上げられたり、押し下げられることはすでに周知の事実だが、日本経済新聞はこれを是正する意向もないようである。そんないびつな指数だが、うまく利用するしかない。

結局のところ、いまの市場はレンジ相場の域を出ないということである。そうであれば、常に急落に備えながらも、安値を売らないスタンスが求められるだろう。なぜなら、下げれば日銀が買い支えてくれるからである。10日の市場でもしっかりと買い支えている。

また、東京都の新型コロナの新規感染者数が200名を超える日も、株価はたいして下げていないのに、なぜか感染者数の発表前にあらかじめETFを買っている。まさに「アベクロ体制」の真骨頂であろう。

Next: 短期トレード戦略は、TOPIXが弱い。そのため、10日の夜間取引で先物を――

1 2 3 4 5
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー