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アベクロ体制崩壊が暴落リスク。日銀、コロナ感染者急増を事前に知って株価を買い支えか=江守哲

日銀はあらかじめ知っていた

8日の市場で噂されたのは、日銀のETF購入に関する思惑である。東京都の新型コロナの新規感染者数が200名を超えることをあらかじめ知っていたのではないかとの「疑惑」である。

感染者の大幅増が報じられれば、株安になるため、あらかじめ株価を支えるためにETFを購入したのではないかとの疑念である。しかし、株価を支えてくれるのであればよいとの見方もある。

繰り返すように、すでに日本の株式市場は「社会資本主義」の典型例になっている。下げれば買い支える姿勢が鮮明であり、これを批判しても時間の無駄である。

無論、失敗しても日銀は責任も取らないため、無責任な政策ではあるが、一度踏み込んでしまった以上、最後まで面倒を見てほしいものである。

彼らを100%信用することはできないが、逆に批判して逆のことをすれば損失を被ることになる。「国策に売りなし」である。批判したい気持ちもわかるが、最終的には政策主体の行動に逆らわないことが肝要である。

一方、現在発表されている経済指標や内閣府の見解などには注意が必要である。現在発表されている様々なデータなどは、自粛中のこれまで一番厳しい状況のときのものである。また、月末から始まる4−6月期決算も同様である。

そして、市場は今後の経済環境がこれまでよりも大きく改善することを大前提に動いている。したがって、その前提が崩れたと市場が判断したときが問題になる。

市場がどう考えるかは知る由もないが、現在のコロナの状況を考えると、もはや政府の見解は詭弁でしかない。過去最大の感染者数で自粛要請がないというのは、経済の停滞による政権の倒壊を懸念しているからである。

誰でもわかる嘘を言うのが安倍政権であることは、すでに全国民が理解しているはずだが、それでも詭弁を続ける。菅官房長官の9日の会見はあきれるしかなかったといえる。

10日からスポーツイベントでは、制限付きの観客の観戦解禁である。「観戦して感染」ではシャレにもならないが、それでも政府は良いと判断したのだろう。

すでに海外ではとんでもない数の感染者になっているが、日本もこれから本格化するのかもしれない。せっかく外部からの流入を防いでいるのに、国内で増やしてどうするのだろうか。無策は国をだめにする。

批判はしても逆らわない

いまの政府・日銀は問題だらけであり、批判をしたくなるのだが、それでも最後は資金を出して、株式も買ってくれる。文句を言いながらも、これらの政策を利用することを考えるべきであろう。

今後も下げれば日銀が確実に支えるだろう。新型コロナの感染者数の増加は株安要因である。今後も大きな数値が出るようであれば、先に日銀が動くだろう。

いまの水準で何とか支えられているのは、言うまでもなく日銀の買いがあるからである。日米でFRBと日銀が直接・間接株価を支えている。株価が崩れると、資産面でも心理的にも経済への影響が出る。何としてでも支えたいというのが彼らの本音である。市場はそう簡単に操作できるものではないはずだが、実際は見事に操作されている。

これを批判するのは簡単だが、実際に支えられているのだから、逆らわないほうが賢明である。下げたところは買われやすいことを念頭に置き、いまは安易な空売りは避けるべきであろう。

もっとも、だからといって株価が上げ続けるというわけではない。社会資本主義に移行した日本の株価は、大きく下げはしないものの、上げることもない。低成長を受け入れるのは社会資本主義の基本である。非効率な市場になることを受け入れなければならない。

したがって、少しでも押し目があれば、粛々と買うことが肝要である。

そう大きなレンジにはならず、無論大幅な調整も起きにくい。コロナ危機のようなことがあれば別だが、それでもそのようなときに起きる暴落はやはり買いである。このような買い場を逃さないようにし、常に現金を保有しながら押し目を虎視眈々と狙っておくことが肝要である。

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