コロナ下でネット通販は好調と言われますが、実際に売上はどれくらい伸びたのでしょうか?Amazon・Shopify・ヤフー・楽天といったメジャーな日米EC企業の決算から読み解きます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
(筆者注:この記事はYusuke Gotoさんとの共同制作です。)
※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2020年8月27日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
アメリカのEC化率は2倍に加速
本日は、日米ECビジネスがコロナウイルスの影響をどの程度受けているのか?決算で開示された数字をベースにまとめていきます。
※参考:McKinsey Quarterly The quickening
マッキンゼーが出しているレポートによると、EC化率は直近10年間では+10%程度だったものの、コロナウイルスの影響により直近3ヶ月で約17%から約34%と、2倍の成長となりました。
コロナウイルスが、ECビジネスに与えた影響の大きさが一目でわかるデータとなっていますね。
では、個別の企業で取扱高が2倍になっている企業は、どのような企業なのでしょうか?
Amazon:取扱高YoY +50%程度
まずは、EC業界の絶対王者であるAmazonから取り上げます。
※参考:AMAZON.COM ANNOUNCES SECOND QUARTER RESULTS
こちらは取扱高ではなく、Amazonの事業セグメント別のネット売上になりますが、Online Storesという直販型ECがYoY+49%、Third-party seller servicesというマーケットプレイス型ECがYoY+53%となっています。
テイクレートが短期間で大きく変わっていないとすると、取扱高も同様の伸びをしており、前述のEC化率の2倍成長には及ばないものの大きく成長していることが分かります。
また、過去1年間の四半期毎の伸びを見ると、成長の加速度も以前よりも早くなっており、コロナウイルスの影響が確かに作用していることが見てとれます。