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東京五輪、海外選手“特別入国”のウラ事情と開催中止へのシナリオ=原彰宏

マイナンバーカード普及だけは熱心。個人情報の管理は大丈夫なのか?

デジタル化の名のもとで今決められているのは、マイナンバーカードを普及させることで、そのために免許証と健康保険証をマイナンバーカードに一体化させるなどを行っています。

また、政府は来年にも、個人のマイナンバーと預貯金口座を連動させる方向です。個人向けの給付の手続きなどをマイナンバーカードだけでできるようにすることが目的ですが、義務付けはせず選択制にする見通しとなっています。マイナンバーカードと銀行口座の紐付けは、来年1月召集の通常国会で法整備をめざします。

菅総理としては、日本がデジタル化に遅れていることを国民は憂いているという空気を利用している感じです。

個人情報の扱いに関しては、お隣の韓国も進んでおり、北欧では積極的に個人情報管理が進められていることを例にあげて、日本でもマイナンバーカード普及の必要性を訴えています。

確かに社会インフラ、行政の円滑化など、個人情報管理は必要であることは理解していますが、最も大事な国民と政府の信頼関係に問題があるということを、なぜマスコミは報じないのでしょう。個人情報が吸い上げられることへの抵抗感だけを前面に出して、反対する人々の論拠のお粗末さを印象づけているようです。

「国民だけがデジタル丸裸にさせられる」「政府は情報を開示しないが、国民は情報を出せ」そんな状況です。

行政は、官僚は、政治家は、都合の悪いことは隠すことができ、税金の私的流用は許される土壌にある中で、誰が個人情報を提供するのでしょうか。隠蔽・改竄・故意紛失・私的流用などなど、どれも真摯に向き合ってなくす方向には向かってはいません。

デジタル化に反対しているのではなく、国が信用ができないだけ

個人の方が取られるのが嫌というレベルの、単純な対立構造のように報じられていますが、本質はそこではないのです。

デジタル化は必要、個人情報管理はある程度は仕方がないと思ってはいますが、情報を管理運営する側が信用できないのです。それは今までの態度や事実関係を見て、それに真摯に答えない姿勢が合わさって、国民の不信感は大きくなっているのだと言うことです。

わかっていながら、この構図は報じない…。それがマスコミのようです。

「自分の国を信用できるか」という観点から、海外と比較して説明しましょう。スウェーデンでは、政治家が税金でチョコレートを買っただけでも大問題になります。北欧諸国は消費税率は高いが社会保障は手厚く、病院には財布を持っていかないそうです。

北欧諸国の国民は、税を“納める”のではなく、将来の私たちのために使ってもらえるように国に“預けている”という感覚で、税金を捉えています。

一方、日本では、税金は“納める”のではなく“取られる”感覚である状況です。

日本とスウェーデンでは、国民と政府との関係性がまったく異なっています。そんな両国では、個人情報提供を伴うデジタル化について、同じように語ることはできません。

スウェーデンでは、「公益のために個人情報を提供する」という考えです。

日本では、「管理のために個人情報が取られる」「ときの政権にいいように悪用される」という考えであることが、根本的に違うのです。個人情報を管理運営する側に信用がないのが、日本なのです。

国民が受けたPCRコロナ検査のデータが警察庁に手渡されていたという報道もあるようです。

これは余談ですが、各省庁のデジタル化を推進するということですが、今もっともデジタル化が進んでいるは警察庁です。そのことは、デジタル化を考えるうえでは、よく理解しておいたほうが良いでしょう。

行政業務の効率化と、国民監視強化。なんだかなぁ~と思います。

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