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新規上場さくらさくプラスの実力は?補助金が支える保育所事業の将来性=シバタナオキ

東証マザーズに新規上場した「さくらさくプラス<7097>」のビジネスを分析します。認可保育所の運営というユニークな事業を展開する同社の有価証券報告書から、保育所事業の将来性を読み解きます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

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※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2020年10月23日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

Q. 認可保育所1施設あたりの補助金・売上を言えますか?

ヒント. 新規開設1施設あたりの補助金は億単位です。1施設あたりの月間売上は、百万円単位です。

コロナウィルスの影響で4月に上場する予定が延期になっていた、許認可保育園の運営を手掛ける「株式会社さくらさくプラス」は10月28日、東証マザーズへ上場しました。

今回の記事では、許認可保育園の運営事業とはいったいどのような仕組みになっているのか?を上場申請のための有価証券報告書を元に分析していきたいと思います。
※参考/図表出典:株式会社さくらさくプラス 新規上場申請のための有価証券報告書(2020年9月24日)

さくらさくプラス<7097> 15分足(SBI証券提供)

さくらさくプラス<7097> 15分足(SBI証券提供)

認可保育所と認証保育所の違い

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まず最初に、「保育所」と一口に言っても、補助金や利用料の支払いに大きな違いがあるので、その点を説明します。保育所には、「認可保育所」と「認証保育所」、「認可外保育所」の3つがあります。

ちなみに、保育所は0歳の子供から預かることができる施設で、幼稚園は3歳〜6歳の子供を預かる施設です。保育所は児童福祉施設であり厚生労働省の管轄、幼稚園は就学前教育が目的の文部科学省の管轄となっています。

「認可保育所」は国が定めた広さや施設の設備、保育士の人数などの基準を満たしている必要があります。利用者は入園手続きを各自治体に申請し、利用料は自治体に支払います。

支払われた利用料は補助金と合わせて、自治体が許認可保育所に委託料として支払う仕組みになっています。認可保育園は保育料が安価なため、待機児童が多い状況です。

今回紹介する「さくらさくプラス」はこの認可保育所を中心とした事業をしています。

東京都独自の制度で誕生した認証保育所

次に「認証保育所」ですが、これは東京都独自の制度です。東京では国の定める広い土地の確保が難しいため、東京の状況に合った認証制度が作られました。認証保育所事業には多くの企業が参入していて、駅ナカの便利な場所や夜中まで子供を預かる保育所もあります。

認可保育所と認証保育所の大きな違いは、認証保育所は利用者が自治体を通さずに、直接、保育所に利用料を支払う仕組みとなっている点です。認可保育園より利用料が高額になりますが、利用状況によって自治体から利用者に補助金が給付されます。また認証保育所に対しても、自治体から補助金が交付されています。

3つ目の「認可外保育所」には、基本的に自治体の補助がありません。預かり時間や提供するサービスを柔軟に設定することができ、ベビーホテルなどを運営している企業もこの括りに入ります。補助金がないために利用料は高額になりますが、その分、利用者のニーズにあったユニークなサービスを選択することができます。

上場している保育所関連の企業の多くが、この3つの保育所の事業を掛け持つか、認証・認可外保育所の2つの事業に特化し、サービスの違いを打ち出しています。

Next: 認可保育所の運営というユニークなビジネスで上場。驚きの成長率は?

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