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自粛無視に屈して宣言解除。国民の「静かな反乱」招いた菅政権の無為無策=斎藤満

政府は首都圏1都3県に出されている緊急事態宣言について、21日で解除することを正式決定しました。感染防止策は「打つ手なし」の状況で、宣言延長後の人出はむしろ増えています。国民は自粛疲れか、宣言慣れしたか、はたまた政府の「お願い」を無視する静かな反乱が起きている状況で、これに政府が対応できなくなったともいえます。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

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※有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2021年3月19日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

宣言延長しても打つ手がない

政府は18日、新型コロナウイルス対策に関する諮問会議を開き、東京、神奈川、千葉、埼玉の4都県に対する緊急事態宣言を21日の期限をもって解除することを諮問、了承されました。

表向きはすでに新規感染者数が減り、病床のひっ迫度合いも改善されたので、経済に負担となる宣言を解除する、ということになっています。

しかし、実態は時短要請を伴う緊急事態宣言を延長しても、感染抑制につながる手が打てず、行き詰まり感が強まっていました。

現に、首都圏の4都県では、宣言延長後の人出がむしろ増えていて、国民が自粛疲れか、宣言慣れしたか、はたまた政府が有効な改善策を打ち出せない中で、国民にだけ自粛を要請することに、静かな反乱がおき、これに対処できなくなったともいえます。

抑制効果なき「時短要請」

実際、夜8時を過ぎても営業を続ける飲食店の前には長蛇の列ができ、まじめに時短に協力している店よりもはるかに「繁盛」しています。

東京都はこれら企業の一部に時短命令を出し、その中から課金を求める動きが始まりました。しかし、これらの企業はたとえ30万円の課金を払っても、従業員を雇ううえでは営業を続けざるを得ないとの事情を話しています。

これらは、政府に打つ手がないのではなく、政府が現実を踏まえた適切な対応をしていないために、政府の要請にこたえられない企業が多く、これを支持する客が多いことを露呈しました。

米国からは「科学的に」行動するよう求められ、超大型コンピューターで飛沫の飛び方を解析していながら、科学的とは言い難い時短要請と一律6万円の協力金で「お願い」しているだけでした。

Next: やることをやらずに「打つ手なし」? 欧米と比べても対応が甘すぎる

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