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高市早苗“新総裁”なら投資家みんな海外移住?金融所得増税に批判殺到、将来的な「個人預金への課税」を危惧する声も

菅総理の不出馬で混戦模様となっている自民党の総裁選だが、立候補の意向を示している高市早苗氏が掲げる政策案「金融所得増税」が、早くもブーイングの嵐となっている。

取沙汰されているのは、高市氏自身が金融所得税制に関して語った記事。それによると、マイナンバーを活用して金融所得(配当所得と譲渡益)を名寄せしたうえで、50万円以上の金融所得の税率を現状の20%から30%に引き上げる構想を持っているとのこと。これにより約3,000億円の税収増を見込むという。

この政策が仮に実行されるとなると、影響をモロに受けそうなのが、株の売買や配当で利益を得て生活している市井の投資家たち。彼らからは「大増税だ」「本当に勘弁して欲しい」と、悲鳴にも似た声が続々あがる事態となっている。

ただ、この騒ぎが起こった後である週明け6日の株式市場は、TOPIXが連日の年初来高値更新となっているほか、日経平均株価も午前の終値は510円06銭高と上昇。このことから「株式市場は高市氏よりも河野氏の方が確率が高いとみている?」との声もあがっている。ただ、そのいっぽうで「高市氏が総裁になる可能性が高まれば、マーケットは下がるのでは…」といった見方も出ており、今後の高市氏の動向が大いに気になるという向きは結構多いようだ。

蒸し返される過去の問題発言

反発の声が多くあがる高市氏によるキャピタルゲイン課税の強化策だが、そもそも「老後の30年間で生活費が約2,000万円不足し、資産形成の自助努力が必要」と、投資などによる資産形成大の必要性を謳っていたのは、他でもない金融庁や政府。にもかかわらず、それで儲かった分を今度は増税のターゲットにしようという、まさにハシゴ外しもいいところな構想なだけに、怒りの声が集中するのも無理のない話と言えそうだ。

もしも総裁選を勝てば、日本の憲政史上初めての女性総理大臣となることでも注目を集める高市氏だが、その素顔は“超”が付くタカ派であることは誰もが知るところ。今回、総裁選への出馬意向が伝えられると、過去にナチス礼賛本に推薦文を寄せた件や、ネオナチ団体代表とツーショット写真を撮っていたことなどが、早速蒸し返されている。

また、過去に高市氏が招いたお騒がせといえば、総務相時代の2016年に衆院予算委員会で発した、政権批判メディアには停波の可能性があるとした問題発言。こちらは、米・国務省の人権報告書で「報道の自由に関する懸念がある」として取り上げられるほどの大騒動となった。さらに同時期には、過去に出演していたCMで紹介された「米議会で2年間立法調査官として働き…」とのプロフィールが、実は「経歴詐称」なのではと疑われたのも記憶に新しい。

さらに、ここに来て問題視されているのが、2012年に高市氏が議員連盟の研修会において、当時クローズアップされていた生活保護不正受給に絡めて行ったとされる「さもしい顔して貰えるものは貰おう。弱者のフリをして少しでも得しよう。そんな国民ばかりでは日本国は滅びてしまいます」 との発言。ネット上からは「さすが安倍の後継らしい」「ゲスの極み」との声があがるなど、まさに総スカンといった状況だ。

将来的な「個人預金への課税」を危惧する声も

このように、社会的弱者に対してはとことん厳しい態度をみせる高市氏だけに、今後危惧されているのが、こともあろうか個人預金への課税だ。

高市氏は税制改革の一案として、前出の「金融所得増税」と並んで「法人の現預金課税」も掲げている。これは要するに、主に大企業が大量に抱え込んでいる内部留保をターゲットにしたものだが、将来的にこれが個人資産にも範囲が及んでいくのではないかという見方は結構多い。

結局のところ、老後に備えて資産運用をしていたとしても、その利益は「金融所得増税」で目減り。いっぽうで「預金から投資へ」の扇動に乗らずコツコツと貯めていたとしても、それも課税対象となる恐れが。まさに庶民にとっては八方塞がりで、まさに“一億総老後破産”も待ったなしといった状況に陥る可能性も無きにしもあらずなのだ。

国民の間では河野太郎氏や石破茂氏らが人気となっている模様の自民党総裁選だが、依然党内で影響のある安倍前首相からの支援もあり、高市氏が勝利する目もまったくは否定はできない情勢。“日本初の女性総理”という看板が、逆風が予測される衆院選においては大いに魅力的と考える議員も多そうだが、実際国民が高市氏にいい顔をするかどうかは、はなはだ疑問符がつくところだ。

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