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標的は日本。英EU離脱で加速する中国共産党の「軍事的冒険主義」=黄文雄

世界中に衝撃を与えた英国民の「EU離脱」という選択。これら一連の流れは中国にとってかなりの痛手になると、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の著者で評論家の黄文雄さんは分析します。さらに、この離脱劇を境に中国の軍事行動が頻発するとも。一体なぜ?そこには世界の経済状況にいともたやすく振り回される「中国の体質」があるようです。

英国EU離脱と前後して活発化する中国の軍事行動、その理由とは?

崩壊する「英中関係の黄金時代」

6月23日、イギリスのEU離脱を問う国民投票において、賛成票が多数となりました。投票日の世論調査では残留がほぼ確実視されていただけに、離脱が決定されたことによるショックが世界を駆け巡りました。
中国、キャメロン首相辞任は痛手か 元安阻止で介入観測 市場混乱を警戒

キャメロン首相は当日に首相辞任を表明しましたが、これは中国にとっても大きな痛手となるでしょう。キャメロン首相は昨年の10月に習近平が訪英した際、「英中関係は黄金時代を迎えた」と自画自賛していました。

【関連】英国EU離脱でも中国でもない、ジョージ・ソロスが怯える「第3の危機」

もちろんキャメロン首相も、欲しかったのは中国のカネであり、別に中国と本当に親密になりたかったわけではないでしょうが、しかしこのキャメロン政権の親中姿勢に対しては、イギリス国内でもいろいろと批判もありました。

チベットにおける人権問題で批判的なチャールズ皇太子は習近平への晩餐会を欠席しましたし、今年の5月にはエリザベス女王が「習近平の訪英団一行はとても失礼だった」と発言したことが、世界的なニュースとなりました。

これまで旧英国領だった香港にしても、中国政府によるデモへの弾圧や、習近平批判本を販売していた書店関係者が中国当局によって拉致・拘束されるといった人権弾圧が繰り返されています。

一応、イギリス外務省も、香港返還の際に「一国二制度を50年間は堅持する」と決めた英中共同声明に違反するということで抗議はしていますが、キャメロン政権の親中姿勢が、こうした中国の香港への強権姿勢を助長してしまった面も否定できないでしょう。
英国外務省が「共同声明違反」と指摘 「本人の意思に反して中国本土に移送された」

それゆえ先の国民投票では、EU離脱派のみならず、中国に急接近するキャメロン政権への批判票も多数あったと目されています。先のエリザベス女王の発言も、政権批判の材料として使われていました。

Next: 中国に肩入れしていた「次期英首相候補」の消滅でAIIBにも黄信号

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