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迫る2018年の悲劇「不動産バブル大破裂」と東京オリンピック後の無残(日本編)

私はこれまで、都心の不動産バブルが崩壊する「2019年問題」を警告してきましたが、これを1年早めて「2018年問題」に訂正します。バブル崩壊の予兆が去年の段階ですでに出ているのです。(『カレイドスコープのメルマガ』)

※本記事は、『カレイドスコープのメルマガ』 2016年12月6日第184号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。本記事で割愛した全文や、配信済みの続編もすぐ読めます。

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出口なし。世界的な不動産バブル崩壊の予兆はすでに出ている

世界が気づいていない「不動産バブル崩壊」の足音

前回のメルマガ第183号(12月1日配信)のテーマは、「買ってはいけない!いよいよ始まる不動産バブル崩壊」の海外編でした。今回は中国、そして日本編です。

日銀、連邦制度準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)などの西側先進国の中央銀行が、まるで計画的に歩調を合わせるかのようにして、量的金融緩和を続けてきたことによって、とうとう、私たちは資産バブル(不動産、特に、住宅バブル)崩壊を目のあたりにするかもしれない、と書きました。

採用した公式データから、北米、ヨーロッパの主だった都市では、資産価値が過大になっており、すでに危険水域を突破してしまったことが分かります。

カナダのバンクーバーでは、明らかに「不動産バブル崩壊前夜」の様相を呈しており、米国のいくつかの都市でも同様です。

また、ヨーロッパでは、ブレグジットの余波で、ロンドンの金融街「シティー・オブ・ロンドン」から外国資本が海外に逃避したせいで、オフィス需要が激減しています。それは、まだ止まる気配が見えていません。<中略>

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二度目の中国バブル崩壊は必ず起きる

数十年から100年程度の単位でみれば、こうしたことは何度も繰り返されているのですが、問題は、それが急激に起こるため、市場がそのショックを吸収しきれないのです。

これは、銀行に膨大な不良債権を抱え込ませることになるので、なんとか倒産から免れようとする銀行は、その社会的使命など、すっかり忘れて、貸し渋りから貸はがしという過酷な取り立て屋に変身するからです。

そのときに、もっとも犠牲になるのが、あらかじめ防衛策を講じていなかった企業や一般の生活者なのです。

日本におけるバブル崩壊後の「失われた20年」は、国際金融資本やヘッジファンドによって、意図的、かつ計画的に引き起こされた世界規模の陰謀に他ならないのです。その陰謀に使われたのが、橋本龍太郎政権と日本の中央銀行である日本銀行でした。

そう、日本のバブルをパンパンに膨らませた張本人は、日銀という中央銀行なのです。
そして、バブル破裂のトリガーも、また日銀が引いたのです。

国家規模の不動産バブルが崩壊したのは中国です。このバブルの芽は、北京オリンピックの建設ラッシュとともに大きく育っていきました。

「オリンピックが終わった後に不動産バブルが崩壊する」という大方の予想を裏切って、2008年の北京オリンピックの1年前に、それは崩壊しました。

中国のような共産主義の国では土地の所有が認められていませんから、所有権そのものではなく「土地使用権」という「権利証書」を不動産市場で売買するのです。

居住用不動産の場合、「土地使用権」の期限は70年と法律で定められています。期限がきたとき、その物件は没収という強制収用のような形ではないにしても、吊り上げられた価格で政府が書いとるはずもないのです。

それでも、中国人が不動産物件という現物にこだわるのは、度重なる政変で辛酸をなめされられてきた歴史が、そうさせているからです。

北京オリンピック前に「価格がピークに来た」と悟った中国人は、執着を捨てて、さっさと物件を売り払いました。これが、第一回目の不動産バブル崩壊です。

ここで育ちつつあった中国の富裕層は淘汰されました。生き残った中国人投資家は、ここで資産を増やし、次にそれは株取引に振り向けられました。

おりしも、中国は習近平指導の下で、内需拡大政策を打ち出していました。

中国の金融当局が考えたのは、逃げ遅れた中国人富裕層が抱え込んでしまった塩漬け状態の不動産を再び動かすために、株式市場を活発にして新たな富裕層を生み出すことでした。

利回りではなく、現物を安いうちに買って高くなったら売る、というキャピタルゲインに飽くまでこだわる中国人は、当初、株取引についても信用取引などはせず、株式の現物を売買していました。

ところが、市場が過熱すると同時に、金融の機能を持つネット証券会社系列の金融機関から株式や資金を借りたりして、ズブの素人までが株式市場に参加するようになりました。

狂熱相場に煽られた上海市場は4000ポイントの大台に乗り、一進一退を繰り返しながらも、とうとう5000ポイントを突破。

株式市場も不動産市場のときと同じように過熱してしまったため、ここで中国の金融当局が市場を冷やすため引き締めに入りました。それが、2015年6月から始まった中国株の大暴落です。

さらに、中国の中央銀行は、その2ヵ月後、人民元の3度にわたる引き下げも行いました。

中国政府は、2015年6月から始まった上海市場の崩壊は、西側のヘッジファンドの仕業である、と国民に説明しましたが、むしろ、中国の金融当局がクールダウンさせたものと考える方が妥当です。

再び、中国株は安定を取り戻したものの、過剰に積み上がった不動産在庫は、その多くが未だに動かず、ゴーストタウンになるのを待つばかりです。

中国の株式市場に崩壊の予兆が顕著になってくれば、第二の不動産バブル崩壊が必ずやってきます。

どちらが先になるのかは分かりませんが、それが同時にやって来たときは、中国当局はお手上げでしょう。そうなれば、中国全土で暴動が発生し、警察や人民解放軍は成す術がないでしょう。

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