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日銀のETF購入額4兆円超。2年連続で最大の買い手に=大前研一

2017年国債危機は起こるのか?

ダイヤモンドオンラインは4日、「5分でわかる、今年国債危機が懸念される理由」と題した記事を伝えました。日本の長期金利が上昇していることで評価損が発生し、日銀は現在10兆円の赤字になっています。加えて日銀は、去年9月に導入した金利の誘導政策に基づき、日本国債を購入する必要があるものの、買い入れ額の目処を超えて購入することができないとし、投機筋がこの額を念頭に挑戦してくる懸念があるとしています。

ハイパーインフレ国債暴落の危機は刻一刻と迫っています。しかしそれがいつかと聞かれれば、自分で国債を刷って買うという奇特な人がいるので、今のところ、心配をし始めるまでは大丈夫だと思っています。ただこれは、エンペラーズローブ、つまり王様が服を着ずに堂々と歩いているというような状況なのです。したがって、誰かが心配し始めるとその瞬間に状況がおかしくなるのです。

トリガーとして基本的に今まで一番心配されていたのは、カイル・バス氏のような、アービトラージをして日本の国債をショートする人の存在でしたが、彼は何回かトライしたものの日本人が安心して買っているのでうまくはいきませんでした。日本の国債は、今は人気があり買う人が多くいますが、やはりどこかで国債へのニーズに変化が出てくるでしょう。

その理由は何でも良いのです。すでに臨界点は超えているのです。誰かが大掛かりな売り浴びせを仕掛けてくるなどの事態が起きた時には、昔のタイのように簡単にはやられないとは思いますが、しっかりと想定して備えておくべきだと思います。日本国債は、実際には全く返す予定のないものを1300兆円も持ち込んでいるわけで、しかもそのかなりの部分を、印刷した人たちがもう一度買っているという複合汚染ともいうべき状況にあるのです。

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