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SNSで株を買い煽る連中は、なぜいつまでも逮捕されないのか?裏事情=山岡俊介

ネットでは「〇〇が株価操縦で逮捕される!」といった書き込みを見かける。しかし現実には、仕手株の煽りをした者が捜査・処分されることはまずあり得ない。(『アクセスジャーナル・メルマガ版』山岡俊介)

※本記事は有料メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2018年1月1日号,1月8日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:山岡俊介(やまおか しゅんすけ)
1959年生まれ、愛媛県出身。神奈川大学法学部卒。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳で独立。91年『週刊大衆』の専属記者を務めながら『噂の真相』『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエ実録武富士盗聴事件』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)など。

仕手筋「不逮捕」の背景とグレーゾーンほか、数々の疑惑の真相

煽り屋を取り締まらない金融当局

2ちゃんねるやツイッターを見ると、あたかも「〇〇が株価操縦で逮捕される!」「〇〇は投資顧問業法違反!」といった、おそらくネット上で仕手関連情報に乗せられ損をしたと思われる関係者の怨嗟の声といってもいい書き込みが多い。

しかしながら、現実はといえば、その手の仕手株の煽りをした者が実際に捜査されたり、処分されることはまずあり得ない

というのは、これら書き込みの大方の人は勘違いしているからだ。

投資顧問は登録制であって、許認可ではない。登録制のため、無免許業者が投資顧問と同じような行為をしてもよほどのトラブルが起こらない限り、登録されてない=存在しないということで、登録した業者よりむしろ問題になりにくいのだ。

また、登録されていれば顧客とのトラブルが発生した時、当局が窓口になって解決に当たってくれるが、無免許だと、当局が苦情処理にすら当たってくれないことを意味するのだ。PR役をする煽り屋に至っては、投資家からカネを取っているわけではないので、基本的に個人の単なる書き込みで済まされてしまう。

そもそも、証券取引等監視委員会(SESC)はほとんどといっていいほど、これらツイッター、2ちゃんねる、テキストリームなどをチェックしてもいない

うまくグレーゾーンを突いてくる

ところで、最近、「VALU」を発行し、購入者に銘柄を教えるという新手のシステムが流行って来てもいる。

この場合、実質、カネを取っているので一見、金商法違反に感じるが、こちらも違法性は低く摘発は難しい。投資家は、高いリスクを理解してVALUを購入していると見做すからのようだ。

くれぐれもご注意いただきたい。

多くの投資家はこれら様々な手法を使い株を買わす仕手筋、煽り屋、嵌め込み屋などを逮捕してほしいと願っているだろう。しかし、残念ながら現実は、いわば法の隙間、グレーゾーンを彼らは突いて来ており、摘発や処分になるハードルは非常に高いといわざるを得ないのだ。

ただし、あまりに目立つ有名煽り屋、その煽り屋と仕手筋側との金銭のやり取りの裏づけが取れれば、その限りではないと思うのだ。

金融当局においては、ぜひ、一罰百戒で手を付けていただきたいものだ。

Next: 悪名高きファンドと煽り屋の連携プレー!?/貴ノ岩関暴行事件の真相

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