今回は、韓国の次期大統領になりそうな有力候補について解説する。各候補の支持率については後述するが、左派系の最大野党「共に民主党」前代表の文在寅(ムン・ジェイン)氏が他候補にダブルスコア以上の差をつけて人気となっている。このまま彼に何かしらの疑惑が出てこない限り、次の韓国大統領に選出される可能性が極めて高い。(『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』)
※本記事は、『2011年 韓国経済危機の軌跡(週間 韓国経済)』2017年3月5日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
5つの重要キーワードで把握する「韓国次期大統領」の正体
ダントツ人気は文在寅(ムン・ジェイン)氏
今回は、韓国の次期大統領になるかもしれない有力候補について解説する。各候補の支持率については後述するが、左派系の最大野党「共に民主党」前代表の文在寅(ムン・ジェイン)氏が他候補にダブルスコア以上の差をつけて人気となっている。このまま彼に何かしらの疑惑が出てこない限り、次の韓国大統領に選出される可能性が極めて高い。
そういった意味で私は文在寅(ムン・ジェイン)氏の言動に注目している。彼の言動の中で重要なものが大きく分けて5つあるが、それについては各候補の支持率を見てから紹介しよう。
最新の大統領候補者の人気(2017年3月2日現在:韓国世論調査会社リアルメーター)
1位:文在寅(ムン・ジェイン)「共に民主党」前代表(支持率:35.2%)
2位:黄教安(ファン・ギョアン)大統領権限代行首相(支持率:14.6%)
3位:安熙正(アン・ヒジョン)「民主党」忠清南道知事(支持率:14.5%)
4位:安哲秀(アン・チョルス)「国民の党」前代表(支持率:10.9%)
5位:李在明(イ・ジェミョン)「民主党」城南市長(支持率:9.0%)
補足すると、世界大統領であった国連事務総長の潘基文(パン・ギムン)氏は、日韓慰安婦合意を歓迎したことで足下を救われて徐々に支持率が低下していき、出馬を辞退。15%ほどあった彼の支持率は、他候補に分散した形となった。
そして、1位の文在寅(ムン・ジェイン)氏が35.2%という高い支持率を誇っている。2位との差がなんと20%。さすがにここから他の候補者が逆転するのは難しいだろう。
また、「韓国のトランプ」と呼ばれ過激な発言で支持を獲得していた民主党所属の李在明(イ・ジェミョン)城南市長が、ここに来て支持を減らしている。反日発言だけでは、人気にもかげりが出てきたようだ。
さらに、用日発言をして一躍支持率第3位に上昇したのが、民主党所属の安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事。彼は日本に対して歴史的な追求はしていくが、経済は別だという、いわゆる「用日論」を展開して人気となっている。しかし、この用日論はすぐさま文在寅(ムン・ジェイン)氏に真似されてしまった。韓国はパクリが多い国家だが、相手のライバル議員の発言までパクっていくらしい。
これらの議員で共通しているのは、日韓慰安婦合意の破棄、そして北朝鮮への融和政策である。また議員によって、THAAD配備の有無といった違いがある。とはいえ、現状では1位以外の候補者が勝つ見込みは少ないので、文在寅(ムン・ジェイン)氏がどう考えているのかが焦点となるだろう。