市場で取引されているビットコインの量が極端に少ない理由
ビットコインの価格を操作するには、マイニング会社がこれを支配し、富裕層が市場に出さずに長期保有することによっても可能です。
これは、暗号通貨市場に放出されるビットコインの量を極端に細らせて、その希少性をより高めることによって価格の底上げをするという、あくまでも合法的な方法です。
ビットコインの総発行量は2100BTCと決められています。これは誰にも変更することができません。その希少性からビットコインの価格は吊り上げられてきたのです。
2018年1月13日時点で、採掘されたビットコインは全体の80%に当たる1680万BTCであることが確認されており、残すところ420万BTCであることが明らかとなっています。
しかし、「実際に流通しているビットコインの量は、それよりはるかに少ない」と証言しているのは、世界で唯一、公的にビットコインをはじめとする仮想通貨のマイニング(採掘)を行っている「ハイヴ・ブロックチェーン・テクノロジー(Hive Blockchain Technologies)」社の会長、フランク・ホルムズ(Frank Holmes)です。
インタビューに応えて、フランク・ホルムズ会長は、こんなことを言っています。
フランク・ホルムズ会長:
「われわれは、採掘したコインを貯め込んでいる。われわれは、同様に、バージン・コインも採掘している。まだ誰もマイニングに手を付けていないコインなので、われわれが採掘するとコインにプレミアムをつけることができる。
われわれはコインを市場で購入することは決してない。大きな上昇相場を待って、採掘によって保有しているコインの1%から3%の範囲内でそれを売っている。
そして、上昇相場が終って価格が調整局面に入ると、ハッシュパワーを増大させて多くをマイニングし、上昇相場で売却したコインの数量以上を補充する」。
このインタビューが行われた去年の暮れの時点では、2100万BTCのビットコインのうち約78%に当たる1640BTCが採掘済みとなっていました。
しかし、実際に世界の仮想通貨市場で流通しているのは1000万BTCに過ぎないのです。
その理由は、注文を出したり送金を行うときにトラブルが生じたり、ビットコインを保管していたウォレットのアクセスキーを置き忘れたり、その他のなんらかのトラブルによって、どこかに永遠に失われてしまったからです。
さらに、実際に流通している1000万BTC以上のビットコインのうち、その40%を所有しているのは、わずか1000人ほどの「クジラ」と呼ばれる大口投資家であることが報告されており、その他の何百万人もの投資家が、仮想通貨市場で、残りの限られたBTCを追いかけているに過ぎないのです。
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