大家さんに伝えたい、株式投資の魅力。どっちもうまくいく人の特徴とは?=栫井駿介

一般の人がアクセスできる投資手段の代表格が株式と不動産です。両者の相違点はいろいろありますが、長期投資ではむしろ共通点が多く、不動産から入った人にこそ株式投資に興味を持ってもらいたいと考えます。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)

プロフィール:栫井駿介(かこいしゅんすけ)
株式投資アドバイザー、証券アナリスト。1986年、鹿児島県生まれ。県立鶴丸高校、東京大学経済学部卒業。大手証券会社にて投資銀行業務に従事した後、2016年に独立しつばめ投資顧問設立。2011年、証券アナリスト第2次レベル試験合格。2015年、大前研一氏が主宰するBOND-BBTプログラムにてMBA取得。

コツコツ積み重ねができる人にこそ、長期の株式投資をして欲しい

不動産投資は「投資」より「経営」に近い

株式投資といっても、企業を綿密に調査する人からチャートだけで売買する人まで、方法は様々です。ここでは、企業の業績や配当など、いわゆる「ファンダメンタルズ」を重視する投資法について議論します。また、不動産投資は基本的に買い持ちで、家賃収入を目当てとする投資を対象とします。

成果がよりシンプルなのは、不動産投資でしょう。1,000万円で買った不動産から年100万円の家賃収入が得られれば、投資利回りは10%です。ただし、1,000万円を全額借入れで調達した場合、金利が5%だとすると、最終利回りは5%となります。

株式投資はより複雑です。配当利回りが3%だとしても、株価が1年で1,000円から1,200円に上昇すれば、最終的な利回りは23%です。ただし、株価は毎日変動するため、1,000円から800円に下落すると利回りはマイナスになってしまいます。

これだけ見ると、「不動産投資は安定、株式投資は不安定」と見えるかも知れません。それだけで、株式投資の方がリスクが高いと考えるのは早計です。

家賃収入は必ずしも安定的とは言えません。5室持っていて、満室で家賃収入が年100万円だとすると、1室空いただけで80万円に減少してしまいます。大家さんは、空室を避けるために改修を行うなど、様々な努力をしなければならないのです。

ここでは改修費用という「目に見えるコスト」に加えて、手間という「目に見えないコスト」が発生します。

不動産投資は、購入から運用・売却まで様々な手間がかかります。「怠け者」には向いていない投資手段です。逆に手間を惜しまない人なら、なるべくお金をかけずに入居者の好みに合う物件にすることで、利益を増やすことができます。投資と言うよりも経営に近い感覚です。

それに対し、株式投資は証券口座さえ開いてしまえば、あとはワンクリックで売買できてしまいます。「手間」は極限まで抑えられ、どんな怠け者でも「運が良ければ」簡単に儲けられてしまいます。

株式投資の本質はビジネスの「オーナー」になること

しかし、私は逆に不動産投資でコツコツ積み重ねができる人にこそ、長期の株式投資をして欲しいと思います。

株式投資は誰でも簡単に儲けられると言いましたが、それはカジノに行ってスロットを回すのと何ら変わりありません。1回ビギナーズラックで勝ったとしても、また次勝てる保証はどこにもないのです。

株式投資を資産形成のための「投資」と捉えるなら、重要なのは1回勝つことではなく「勝ち続ける」ことです。そのためには、手間を惜しまない企業分析力と、根気強く待ち続ける忍耐力が欠かせません。

それでも、これらの手間は不動産投資に比べたらわけもないことだと思います。

大量の書類に目を通してから現地に足を運んで契約をし、さらに手をかけて入居者を増やす必要がある不動産投資に対し、株式投資の情報収集はインターネットでできてしまい、購入はワンクリック。あとは何もしないで待つだけです。

待っている間に動いてくれているのが企業の経営者や従業員です。営利企業にとっては利益を上げることが至上命題ですから、そのために様々な工夫と努力をしてくれています。ビジネスモデルが優良であるほど、より効率的に利益を上げることができるでしょう。

つまり、株主になることで、お金を投じて後は見守るだけという、事実上の「オーナー」になることができるのです。

Next: 優良企業の株は、持っているだけで資産を雪だるま式に増やしてくれる

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