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野党も叩けぬ二階派秘書ら12名「和歌山カラオケ感染」。地元有権者はそれでも支持?

自民党の鶴保庸介参院議員と門博文衆院議員の秘書が、1月上旬に和歌山市内のカラオケバーで飲食を伴う会食を行い、後にその秘書らやバー従業員も含めた多数が新型コロナウイルスに感染していたことが判明。コロナ自粛下での無責任な行動に、批判の声が殺到している。

週刊文春が報じたところによると、鶴保議員の秘書2人と門議員の秘書1人は1月8日の夜に、和歌山市内の韓国料理店を皮切りに、和食居酒屋そして問題のカラオケバーで会食。カラオケバーは、カウンター10席とテーブル席が2席しかない密な空間だったが、マイクを使い回してカラオケを楽しんでいたという。

その後、秘書3人が新型コロナに感染していることが判明。さらにカラオケバーの従業員にも感染が広がり、同店関連の感染者は1月25日時点で12人に及んだ。和歌山県は1月21日に、この一連の感染拡大を県内21例目のクラスターと認定し、「東京からの陽性者を含めた関係者が来店され、そこで飲食やカラオケをしてうつり、その後、従業員にうつり、お客さんにうつっていった可能性が高い」と発表している。

週刊文春の取材に対して、門博文議員の事務所は沈黙を貫くいっぽう、鶴保議員の事務所は当日の状況について「和歌山県において非常事態宣言なされていない。自粛呼びかけもなかった」という回答をしているという。

感染拡大防止に尽力する県知事が気の毒との声も

今回の件は、非常事態宣言が発令されてる地域外での出来事ではあるものの、全国的に感染者数が大幅に増えていた時期でもあり、それだけに秘書たちの軽挙な行動に対しての厳しい意見は多い。ただ、ほぼ時を同じくして自民党の松本純衆院議員による「銀座クラブのハシゴ酒」報道などもあったことから、批判と同様に「またか」といった呆れる声も多い印象だ。

いっぽうで、SNS上の意見として多く見られるのが、感染拡大防止に尽力している和歌山県の知事や職員たちが気の毒だという声だ。

和歌山県では、知事である仁坂吉伸氏が強力なリーダーシップを取り、独自の基準による迅速な検査と感染ルートの徹底的な追跡によって、大阪府という大都市圏に隣接する県にも関わらず、感染をほぼ封じ込めていることで知られ、その「和歌山モデル」はアメリカのワシントン・ポストでも紹介されたほど。さらに同知事は、昨年5月に地元放送局の情報番組に出演した際に、政府が推し進める感染拡大対策に対して苦言を呈し、それが「もっと評価されるべき」と大いに称賛されるなど、ネット上での評判もすこぶる高い人物である。

そんな仁坂知事だが、1月6日には緊急事態宣言が発出される首都圏1都3県への往来を控えてほしいと県民に対して要請するなど、感染拡大防止に向けて再び手綱を締めていたばかり。そんな最中に起こってしまった地元代議士秘書が絡むクラスター発生だけに、県や知事に対して同情的な声が集まるのも無理のないところだろう。

二階氏にも飛び火する「責任論」

今回の議員秘書たちが絡んだコロナ感染拡大騒動に関しては、その使用者である鶴保・門両氏にも「監督不行き届き」という声があがるなか、さらにその上の“大ボス”である二階俊博衆院議員にも、その責任を問う声が及ぶ事態となっている。

自民党幹事長を長らく務める二階氏といえば、菅氏の総裁就任を後押しした政界の黒幕。いっぽうで、近年では習近平国家主席の国賓来日を強力に推し進めるなど、その中国にベッタリな政治姿勢が事あるごとに批判され、親中ならぬ「媚中」とまで揶揄される人物であることはご存じの通り。今回の件で批判が二階氏にまで飛び火しているのも、氏の嫌われぶりを考えれば致し方なしといえよう。

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なぜか野党の追求も手ぬるい

このように、特にSNSなどのネット上において二階氏の評判はあまりよろしくないどころか、もはや地に堕ちているも同然の状況。にもかかわらず、野党サイドによる二階氏への追及はどうにも手ぬるいのではと訝しむ声も、今回の件を機にして改めてあがっている状況だ。実際、二階氏の選挙区である衆院和歌山3区では、前回・前々回の選挙において共産党以外の党は対立候補を出さず、二階氏がほぼトリプルスコアの圧勝で当選している。

地元有権者の支持率は高い?

さらにネット上では、そんな二階氏を選挙で通し続ける地元有権者たちの「民度」を問う声も。ただ、現地の事情をよく知る向きからは、道路インフラが脆弱だった県南部地域へ高速道路をどんどん伸ばし、さらに中国から連れてきたパンダを目玉とした観光振興など、とにかく地元経済には多大なる貢献をしており、選挙で支持されるのは当然だとの声もあがる。

そんな二階氏もこの2月で82歳になるとのことで、今年中に実施される予定の衆院選にはさすがに出馬しないのではという見方もあるが、その代わりとして二階氏の三男が地盤を受け継ぐとの話もあり、すでに選挙区内に住民票を移したとの報道も。政治家の世襲に対する視線の厳しさが増すなかにも関わらず、まさになりふり構わぬといった感じだが、その剛腕ぶりで築き上げた王国の体制は、自身の引退後も盤石といったところだろうか。

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